フォード エスケープ 試乗レポート(2/3)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:オートックワン編集部
軽快かつ素直なフィーリングで運転のし易いSUV
ボディサイズは4,480mm×1,845mm×1,730mmと、全幅こそ大きいが、SUVとしてはコンパクト。最小回転半径は5.4mと小さく、車両重量は1,550~1,570kgと比較的軽い。
フォードのSUVというと、アメリカでベストセラーSUVとなっているエクスプローラーのイメージが強いところだが、弟分のエスケープも、日本ではフォード・ジャパン全体の販売の4割を占めているという。
兄貴分に通じるシンプルかつ力強いスタイルは、このクルマの魅力に違いなく、日本の同価格帯のライバル車にはない、独特の雰囲気がある。
ひさびさに触れたエスケープだが、筆者はもともとこのクルマには好感を持っている。見た目も乗り味も、すべてがいたってオーソドックスで、尖ったところが何もない。目新しさこそないものの、運転しても素直で乗りやすいクルマであることを再認識させられる。
ちょっと背の高いワゴンのような、乗用車と何ら変わらない軽快な走り。ストロークの長い足まわりが、快適な乗り心地をもたらす。
最近のSUVは、いたずらにスポーティな走りや限界性能の高さを追求した車種が増えているが、SUVというのは、これぐらいがいいんじゃないのかと思うほどだ。
最高出力115kW[157ps]/6,000rpm、最大トルク200Nm[20.4kgm]/4,000rpmというスペックの2.3リッターエンジンに4速ATという組み合わせは、いささか旧態依然としているのは否めないが、とりたててパワフルではないものの、フラットトルクで扱いやすい。
たしかに、今ある4速ATにはイマイチなものも少なくないわけだが、目くじらを立てて「4速ATはダメだ」とアタマから決めつけなくてもいいだろう。
エスケープのようにマッチングがよければ問題はないし、むしろCVTよりも自然な感覚で運転しやすいのは、ATの強みだと思う。ついでにいうと、パワステも最近よくある電動式よりも、エスケープのような油圧式のほうが依然としてフィーリングはよい。
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