ダイハツ エッセ 試乗レポート

  • 筆者: 竹岡 圭
  • カメラマン:小平寛
ダイハツ エッセ 試乗レポート
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ちょっとしたエッセンスが加わったシティコミューター

軽自動車界の最近の動向は、プレミアム化に進んでいたのだけれど、そこに軽の本質に立ち返った軽らしい軽が登場しました。それが「エッセ」。名前の通り、毎日の生活にちょこっとエッセンスを加えるというのが狙いです。

最近の軽はロングドライブでも快適に過ごせることまで考えられたものが多いけれど、軽の活躍する主舞台は、やはり街中。つまり、A地点からB地点へと移動するシティコミューター、いわゆる足としての役割がほとんど。だったらもう自転車+αの感覚で、玄関開けてパッと乗ってサッと出せる、簡単便利なほうがいいのです。

ボディサイズは、1BOX型を除いた軽最大級のタントと同じなのに、なぜかとっても小さく見えるのもエッセの特長。大きさからくる億劫さを感じさせないところが、コンセプトのひとつになっています。

シンプル家電がお手本

エクステリアにもインテリアにも共通するキーポイントは、家電感覚。つまり、わかりやすく飽きがこないところがカギ。軽自動車の買い替え時期は5万kmという統計を、主婦のチョコチョコ乗りに換算すると、10年で5万km=1年5000km×10年。だから、10年経っても古さを感じさせないものでないといけないのです。壊れるまで買い替えない冷蔵庫とか洗濯機とか電子レンジのような、シンプル家電がお手本となっているのです。

でも、軽はコストを抑えなければならない車種なので、お金がかけられない分、そこは知恵で勝負。

したがって、インテリアも多機能追求型ではなく、わかりやすさが考慮されています。センターメーターを採用し、その下のセンタークラスターにスイッチ類を集中。自然に目線が行く場所に、必要な機能をまとめることで、使いやすくわかりやすく、かつオシャレにと、デザイン性と機能性を上手く融合させています。

最新鋭パワーユニットを搭載

エッセのもうひとつの見所といえば、20年ぶりに新開発されたKF型と呼ばれるトパーズネオエンジンの搭載でしょう。

アルミブロックなどの採用で軽さと燃費の良さを追求した、軽らしいエンジンです。併せて、触媒もスーパーインテリジェント触媒に進化しました。従来のインテリジェント触媒は、触媒貴金属の中でも、特に劣化の起こりやすいパラジウムしか自己再生機能を持っていませんでしたが、ロジウムと白金にも自己再生機能を持たせることに成功。これによりコスト的にもずいぶん軽減されています。

さらに、エンジン始動時の排ガス浄化に効果を発揮する「触媒早期活性化システム」なども組み合わされ、環境には非常に優しい最新鋭パワーユニットとなっています。

実際に乗ってみても、ロングストロークタイプのエンジンだというのに低回転から力があり、街中で扱いやすいものに仕上がっていました。

日常的に使いやすい

乗り味は、乗り心地重視に設定されたホンワカテイストなので、もう少しキビキビ感があってもいいのでは…なんて、つい思ってしまいますが、ベーシック軽として考えるならばコレで十分なのかもしれません。

3速ATと4速ATモデルを比較しても、3速ATモデルのほうがシフトショックなども少なくバランスがいいなど、ホント街中重視の設定になっています。

静粛性も高いエンジンなので、毎日のパートナーとしては、必要にして十分ではないでしょうか。

ラゲッジも、一歩下がらなくてもバックドアの開閉ができたり、ドアが上に上がった状態でも小柄な女性がラクラク手が届く高さに収まったりと、日常的使いやすさにはこだわり抜いた姿勢が感じられるのも好印象です。

ボディカラーに合わせてツートーンのシートカラーを採用したハーモニーインテリアも、毎日を好きな色に包まれて暮らしたいオンナゴコロをくすぐるポイントとなっています。

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竹岡 圭
筆者竹岡 圭

OLを経て、自動車専門誌を皮切りに、モータージャーナリスト活動を開始。国内外のレース、ラリーなど自らモータースポーツ活動に関わりながら、海外のモーターショーを精力的に回るなど、なにごとにも積極的に取り組んできた結果、近年は一般誌、女性誌、Web媒体、新聞、TV、ラジオなど、その活動はとても多彩なジャンルに広がっている。記事一覧を見る

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