BMW X4 国内初試乗レポート／九島辰也(1/3)

”偶数シリーズ”の展開で明確化したBMWのプレミアムブランド戦略とは

BMWのこのところのラインナップはおもしろい。エクスクルーシブなクラスのモデルをそれよりも下のクラスでも展開している。たとえば、5シリーズにあるグランツーリスモを3シリーズに、6シリーズのグランクーペを4シリーズにといったように。そして今回、「X6」と同じコンセプトのモデルを「X4」としてリリースした。X5のハードウエアを採用したX6のごとく、「X3」のそれでつくられたモデルだ。

これらの背景には、新たに展開する“偶数シリーズ”が関係する。これによりキャラクターが明確化され、つくり手の自由度が増した。2シリーズもそうである。

X6の好調ぶりが後押しに

もちろん、それらを可能にしたのはマーケットの反応が思いのほか良かったからだ。6シリーズグランクーペが好評だったから4シリーズにもグランクーペが生まれたわけである。つまりX4もX6がヒットしたからこそ誕生した。うまいのはそこだ。まずは上のクラスでマーケットの反応を眺め、それを鑑みニューモデルの開発に取り組む。そうすれば、自然とその価値は高まる。まさにフルラインナップを持つプレミアムブランドならではの戦略といえるだろう。

さて、「BMW X4」である。このクルマは今年春のニューヨークモーターショーで発表された。その意味では、X6がそうであったようにこいつも北米マーケットに主軸を置いているのかもしれない。ただ、X6よりもサイズダウンされる分、マーケットは広がるはず。日本でのデリバリー開始は10月ということだから、そこからの反応もまた興味は募る。

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