BMWザウバーF1チームが丸の内に登場!(2/2)

  • 筆者: オートックワン 編集部

BMWザウバーF1チームのチーム代表に独占インタビュー!

先週末に行われたF1日本GPで、ロバート・クビサが見事2位表彰台を獲得したBMWザウバーF1チーム。レース後、幸運にもBMWザウバーのチーム代表であるマリオ・タイセン氏にインタビューをするチャンスを得た。F1日本GPを振り返り、レースのこと、日本のこと、さらにはBMWの市販車についてや、残り2戦となったF1グランプリへの想いを語ってもらった。

見事2位表彰台を獲得したBMWザウバーF1チーム

まずは、日本GPでの戦いを振り返ってもらった。富士スピードウェイは、エンジニアにとってチャレンジしがいのあるサーキットだったとタイセン氏は語る。

 「富士スピードウェイは、1.53kmという長いストレートが特徴だが、その後に続くパートは非常に狭い。そのためエンジニアにとってもセットアップ面でチャレンジングなサーキットだ。ロングストレートではロー・ドラッグに、次のパートではダウンフォースを高くしなければならない。そのあたりの調整が問われる、面白いサーキットだね。」

BMWは、ロバート・クビサに1回目のピットストップが短い2ストップ戦略、ニック・ハイドフェルドには、1ストップという異なる戦略をとった。

「ロバートは予選Q3で6位につけ、良いポジションにあったので、アグレッシブな戦略がとれた。」

「ニックは予選での結果は思いのほか良くなかった。これは彼の責任ではなく、タイヤ選択でのチームの判断ミスということになる。ニックは、セーフティカーが入った場合に備えて、十分に燃料を積む戦略をとった。運よく(?)、セーフティカーが入ることはなかったがね。」

「ロバートには、アグレッシブに戦って欲しいと思っていたし、チームとしても速く走れると確信していた。トラックがクリアな状態で走らせたいと思っていたし、幸運なことに、ロバートはファーストコーナーでの混乱に関与せずに済んだ。」

「思惑が外れたのがアロンソ(フェルナンド・アロンソ=ルノー)の結果だ。彼があそこまで強かったのは予想外だったよ。キミ(キミ・ライコネン=フェラーリ)との戦いも特別なものだったね。」

マリオ・タイセン氏から見た日本

日本へは、過去に何度も来日しているというタイセン氏。日本の印象や日本のモータースポーツファンについて質問してみた。

「日本へは過去に何度も来日している。F1だけでなく、東京モーターショーを含めてね。そのたびに、日本中をいろいろ見ようと試みている。」

「日本は、サービスの質の高さ、食の質の高さが印象的だ。訪れるたびに、文化やライフスタイルをより深く理解したいと思っている。日本にはヨーロッパとは異なる文化やライフスタイルがある。そういった面でも日本から学べるものは多い。」

なんと、レース翌日の月曜日に富士山に登ってきたという。

「私がどれだけ日本を理解しようとしているかの例として、昨日富士山に登ってきたよ!素晴らしい景色だったね!」

市販モデルとF1との密接な関係

BMWのモータースポーツ部門を統括するマリオ・タイセン氏にお気に入りのBMWモデル、そして、モータースポーツと市販車モデルとの関係について聞いてみた。

「もちろん、できる限りたくさんのクルマに乗ってみたいと思っているし、できる限り多くのドライビングを知りたいと思っている。私はたくさんの距離を走るので、1年に3回くらいクルマを乗り換える。今乗っているのは、社用車として提供されている6シリーズだ。非常に気に入っているよ。妻は3シリーズコンバーチブル、子供たちにはミニを用意している。自分自身のプライベートの時間を楽しむということでは、Z8に乗っている。でも、どれにするか選ぶのは非常に難しいね。」

F1とBMWの市販車にはどのような関係があるのだろうか。

「BMWは、市販車とモータースポーツとの間に非常に密接な関係がある。F1と市販車は、お互いに向上し助け合うという関係が確立している。」 「F1に参入するとき、BMWの取締役会から明確なリクエストとしてあったのは、マーケティングのためだけにF1をやるのではなく、一般のBMW市販車モデルに技術を生かしていきたいということだった。非常に明確なメッセージだ。」

「ミュンヘンにはF1専門の施設があるが、全ての施設がモータースポーツのためだけにあるのではなく、市販車のパーツを作っている部門のもとに存在している。BMWの大きなファンダリーの一部として存在しているんだ。開発は独自のものだが、速やかに市販車へ移管していくということが必ず頭にある。」

「F1は高速に走るという技術に関して、ここ数年、様々な技術を打ち立ててきた。来年度はレギュレーション変更があり、KERSシステムが導入される。これはハイブリッドシステムのようなものだが、F1では市販車に比べて4~5倍の効率化が実現できる。これは次世代のクルマにとって待ち望まれていることだし、私の同僚なども、市販車に移管されるべきだと大きな期待をもっている。KERSが搭載されることは、F1に対してメリットがあるし、私たちもメリットを受けることができるんだ」

残りのシーズンへ向けて

残り2戦を残し、BMWザウバーF1チームは、コンストラクターズ部門でトップから14ポイント差で3位につけている。また、ロバート・クビサもドライバーズランキングでトップから12ポイント差で3位につけ、まだまだ優勝の可能性は残されている。残りのレースへの意気込みを聞いてみた。

「戦略は非常にシンプルだ。これまでと同じように戦い続けるだけだ。今からさらなる開発をすることはできないし、テストをすることもできないので、このままの状態で各トラックに挑むことになる。」

「やはり私たちの強みをそれぞれのレースで見せていく必要がある。私たちは100%の信頼性を確保しているし、技術的な問題もまったく起こっていない。ピットワークもしかり、自分たちのクルマの状況など、様々な部分を確実することが重要だ。」

「残り2戦で、上位チームはかなりナーバスになっていくだろうから、そういった状況を逆手にとって優勝を狙っていきたい。」

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筆者オートックワン 編集部
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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