アウディ 新型S1・S1スポーツバック 試乗レポート/今井優杏(1/3)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:島村栄二
アウディ ジャパンにとってもマニュアルトランスミッションを搭載するモデルを導入したのは実に久々なことなのだが、その記念すべき久々のMTをA1シリーズ、すなわちエントリーモデルに持ってきたっていうセンスが、なんともニクイ。
決してお買い得ではないんだけど、価格的にもちょ~っと頑張れば手が届きそうでもあるし(いくら待望のMT導入!っとなってもそれが「RS8」に入りますって言われても、ねぇ)、それに実際、あまりにハイスペックなエンジンにMTくっつけちゃっても、日本では扱いに困るだけだったりもする。MTの特性を日本の道路で楽しむにはちょうどいいかも!な気にさせるっていう、この辺とてもうまいところを突いていると思った。
モータースポーツファンにとって、近年のアウディがグローバル戦略としてレース活動と市販車販売のプロモーションをうまく融合させ、ブランド全体のイメージをより“走り”方向へと傾倒させているのは周知の事実だが、このS1の登場でさらに確固たるものになったと思う。つまり、これですべてのラインナップにSモデルが、そしてクアトロが網羅されたことになったというわけ。
さらに言うならS1というのはかつて、1980年代にWRCを席巻したS1の名を踏襲しているんでもあるそうな。
その戦略にまんまと引っかかって、もう乗る前からデレデレしちゃったのは、モータースポーツ、そしてMT好きとして至極当然の反応…。平常心を取り戻すのに数分かかった。ハアハア。
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