フツーを装っていてもタダならぬオーラは隠せない! アウディ 新型RS5に試乗(2/2)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:茂呂 幸正/和田 清志
限界が見えないほどのコーナリング性能
ベース車と同じく、リアを従来のトラペゾイタルリンク式に代えて前後とも5リンクのウィッシュボーン式とされたサスペンションは、かなり引き締められていながらも不快に感じさせない絶妙な味付け。接地性にも優れ、路面をしっかり捉える感覚がステアリングやシートを通して伝わってくる。
さらにRS5クーペには、リア左右輪間のトルク配分をアクティブに制御するスポーツディファレンシャルや、可変ダンパー機構のダイナミックライドコントロール(DRC)を備えた「RSスポーツサスペンション」、専用にチューニングされたダイナミックステアリングなどが標準装備される。それらプラスアルファのデバイスも効いて、ドライブフィールはとても刺激的で楽しい。
アウディ車が共通して持つ優れたステアリングレスポンスにはより磨きがかけられ、行きたいところへ思い通りに行けてしまうような感覚を味わえるのも、このクルマならでは。加えてハンドリングの印象が、従来型のRS5やそれ以前のRS4あたりが持っていた重厚な乗り味とは異質の、軽快さが際立つものとなったところも興味深い。一方で、操縦安定性も極めて高く、多少ペースを上げたぐらいのコーナリングではビクともしない。限界ははるか先にあって、ぜんぜん見えてこないほどだ。
RS5は、日常と非日常の二面性を兼ね備える貴重な存在だ!
むろんベース車と同じく日常の足として使える実用性を持ち合わせていることはいうまでもなし。広いトランクはもちろん、リアシートも平均的な成人男性の体格である筆者が乗っても大丈夫なほどの十分な居住スペースが確保されていて、さらには先進安全運転支援装備もかなり充実している。
そうした日常性と、ひとたびムチを入れたときに見せる非日常性という、まったく異なる側面を持ち合わせているのが、RS5クーペの世界である。
[Text:岡本 幸一郎 Photo:茂呂 幸正/和田 清志]
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