アルファロメオで北海道を爆走!ドリフト! ステルヴィオのパフォーマンスを体感(5/5)

  • 筆者: 嶋田 智之
  • カメラマン:FCAジャパン株式会社
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あらゆる環境下でも“ボロ”が出ない理由とは

とりわけ滑りやすいコーナーを選んで、脱出時にわざとアクセルをベタ踏みにしてみると、心で準備をしていたとおり、ズルッ!とリアタイヤが滑って深めのカウンターステアを強いられたのだが、そんなふうにステアリングをグッと切り込んだ状態だと、アクセル・ペダルを強く踏んでいても通常どおりのパワーやトルクを絞り出したりはしない。

フロントとリアそれぞれに必要なだけの駆動力を与えながら、ステアリングが向いている方向へと確実に車体の向きを変え、ステアリングが戻るに従って少しずつ速度を上げていく、という動きを見せる。スピンしたり逆に巻き込んだりというコントロール不能な状態になるのを防ぎ、クルマをドライバーのコントロール下に少しずつ戻していく、ということを念頭に置いた制御になっているのだろう。

そうなると280PSと400N・mを発揮する2リッターターボの実力は宝の持ち腐れと思われるかも知れないが、レスポンスのよさはいかなる場面でもやっぱり気持ちいいし、パワーとトルクを乗り手の意志に忠実にデリバリーしてくれる素直な性格はそのまま走らせやすさに繋がっていて、タイヤのグリップを探り続けながらのドライブにとても適してる。

上手くグリップを活かすことができていれば当然ながら楽しいし、速い。グリップを失ったら巧みな制御が自然に入ってきて安全。ドライバーにとって都合のいい、ふたつの貌を垣間見ることができる。

アルファロメオならではの走りを満喫

そして路面、タイヤ、走行ライン、クルマの状態という諸々のバランスを上手く作れたときには、リアタイヤがツーッと滑りながらフロントタイヤがグッと引っ張ってくれ、ステアリング操作はほぼ直進状態に保ったまま、軽いスライドでコーナーを抜けられたりもした。いわゆるゼロカウンタードリフトというヤツだ。

トラクションコントロールもスタビリティコントロールも完全にカットすることができないから、派手にカウンターステアをあてながら豪快にドリフトするような走り方はあまり許してくれないところもあるが、そのスウィートスポットを探りながら走るのはなかなか知的な作業で滅法楽しいし、クルマの動きが綺麗に決まったときには最高に気持ちいい。

それに、恐らくその状態が最も速いコーナーの抜け方でもある。こうした路面環境でもスポーティな走りを満喫できるところなど、つくづくアルファロメオなのだな、と感じられて嬉しくなった。

ステルヴィオは“走りの楽しさ”を教えてくれるクルマ

クローズド・コースで試したようなことを「一般路で味わってみるといいよ」なんてオススメする気は全然なくて、要は「できますよ」というお話。それに何事にも絶対的な物理の限界というものはある。

でも今回、普段の僕からすれば別の世界みたいなシチュエーションで、普段の僕なら絶対に踏み込まない領域で走らせたというのに、先入観を覆すどころかあっさりハードルをクリアして、そのうえ走らせる楽しさを再認識させてくれたステルヴィオ。……やっぱりいいなぁ、とあらためて痛感させられたのだった。

[筆者:嶋田 智之/撮影:FCAジャパン株式会社]

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嶋田 智之
筆者嶋田 智之

本人いわく「ヤミ鍋系」のエンスー自動車雑誌、『Tipo』の編集長を長く務め、スーパーカー専門誌『ROSSO』の総編集長を担当した後、フリーランスとして独立。2011年からクルマとヒトに照準を絞った「モノ書き兼エディター」として活動中。自動車イベントではトークのゲストとして声が掛かることも多い。世界各国のスポーツカーやヒストリックカー、新旧スーパーカー、世界に数台の歴史的な名車や1000PSオーバーのチューニングカーなどを筆頭に、ステアリングを握ったクルマの種類は業界でもトップクラス。過去の経歴から速いクルマばかりを好むと見られがちだが、その実はステアリングと4つのタイヤさえあるならどんなクルマでも楽しめてしまう自動車博愛主義者でもある。1964年生まれ。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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