【試乗】BMW 4シリーズグランクーペ「435i グラン クーペ M Sport」 試乗レポート/今井優杏(1/4)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:オートックワン編集部
しかし、BMW「4シリーズ グラン クーペ」に試乗して、そのパッションを一気に思い出した。いや、クルマ側に思い出させられたと言ったほうが良いか。芦ノ湖スカイラインを駆け上がるときの、まるでアンニュイな美女の紅い爪で背中を逆撫でされるかのような、ゾクゾクする加速となめらかなトルクを、ああもう忘れていたなんて私のバカバカ! なんて、その吹っ切れた気持ちよさに、思わず恥も外聞もなく悶絶してしまったほど(ちなみに私には女性に爪を立てられる趣味はありません。モノのたとえですので悪しからず)。
こんなカードを出されるとやっぱり、人類が内燃機関の魔力から脱却するのには、まだもう少し時間が必要なのかもしれない、と感じ入ってしまうのだ。
4シリーズの3番手はBMWの大本命カー、だった!
4シリーズ グラン クーペは4シリーズの3番手。「4シリーズ クーペ」、「4シリーズ カブリオレ」と来て、待望の4ドアの登場となる。うつくしいクーペのラインを損なうことなく、『本気でツカえるパッケージ』を実現した、日本の道路にも完全にドンズバなBMWの次の大本命カーだ。その実力はちょっとスゴイ。だって“イバれるうつくしい外観”דオトナがしっかりゆったり4人乗車できるニークリアランス”ד悶絶モノの走り”。この『クルマ3大快感』の掛け算の回答を想像してみてほしい。そりゃ皆、興味湧きますって。
大体、4シリーズというポジショニングもイイ。伝統の3でも5でもない、まだ4シリーズ自体が生まれたばかりで、若く、新しいのだ。そこがコンサバティブな4ドアであるのに、絶妙な“攻め感”を醸し出すいいエッセンスにもなる。
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