新木場~城南島を結ぶ「東京ゲートブリッジ」が開通!この開通って、一体どんなメリットがあるの?(2/2)
- 筆者: 清水 草一
- カメラマン:清水草一
東京ゲートブリッジ建設の目的は?
開通した2月12日は日曜日だったため、通行車両の大部分は観光目的のマイカーだった。
しかしこの道路、平日はほとんどが大型貨物車になり、「周りは全部トレーラー」という状態に、乗用車は強い圧迫感を感じるはず。
ゲートブリッジの歩道も、週末はいいが、平日に来ると轟音を立てて疾走するトレーラーたちに圧倒されるだろうから、その点は覚悟していただきたい。観光で行くなら週末がオススメだ。
正直、歩道がブームになるのは開通当初だけで、徐々に客足は遠のくだろう。しかし、ドライブがてらクルマで橋を渡ったり、下を観光船でくぐったりは、一度は体験してみたい。
このゲートブリッジ、建設の主目的はあくまで「東京港の機能強化」であり、「貨物輸送の円滑化」だ。この完成によって、臨海副都心部の混雑も緩和される。副産物として、週末には多くの観光客が訪れる。
課題もある。ゲートブリッジの交通量が増えれば、新木場の交差点がパンクする恐れがある。現在、立体交差工事が進んでいるが、開通はまだしばらく先だ。
東京ゲートブリッジ誕生の裏にある「国道357号線」の存在
もともとこの道路が建設された背景には、国道の建設が遅々として進まないという事情があった。
首都高湾岸線に並行する国道357号線の高架部が、都内湾岸地区でほとんど未完成で、しかも東京港トンネルは首都高に乗らなければくぐれない。
それにシビレを切らした東京都が、港湾道路で補おうと考えたのが裏事情なのだ(建設予算は都と国、両方から出ている)。
東京港トンネルに関しては、ようやく並行する国道の工事が始まったが、あまりにも遅すぎる。
こういった、高い経済効果が確実に約束されている公共事業には、積極的に税を投入し、それによる税収増を目指すのが、「国家の経営」というものではなかろうか?
ゲートブリッジは、東京都主導で建設されたわけだが、国もその後に続き、国道357号線の整備を進めていただきたい。
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