【年末スペシャル編】2012年1月1日より導入、首都高速・阪神高速の距離別料金制はいいのか悪いのか!?(1/3)

【年末スペシャル編】2012年1月1日より導入、首都高速・阪神高速の距離別料金制はいいのか悪いのか!?
首都高を疾走するGT-R! 「距離制移行」を告知する横断幕[首都高料金所にて] 首都高の入口 NEXCO東日本の高速道路からの接続部に位置する首都高料金所[湾岸市川料金所] 2011年12月末までは普通車の料金は700円(東京線) 渋滞がなければ、首都高ももう少し快適な移動が楽しめるのだが・・・ 朝の渋滞が始まった首都高速の風景 圏央道・外環道の建設計画 画像ギャラリーはこちら

首都高が距離別料金制に・・・これってどうなの!?

「距離制移行」を告知する横断幕[首都高料金所にて]

平成24年(2012年)1月1日元旦。東京を中心とする首都高速道路と、大阪を中心とする阪神高速道路に距離別料金制が導入される。

これって数年前、マスコミに騒がれていて、いつのまにか聞かなくなった制度だったような。そして今回はあまり話題にも上らないまま、静かにスタートするような印象なのだけれど・・・。

首都高評論家としても(一部では)有名なMJブロンディこと清水草一先生! これって一体どうなってるの!?

(質問者:オートックワン編集部)

其の疑問、MJブロンディがお答えいたします!

2011年12月末までは普通車の料金は700円(東京線)

元旦から、いよいよ首都高速・阪神高速に距離別料金制が導入される。

3年前に距離別料金制度が導入されようとしたときは、「実質値上げだ!」とマスコミがこぞって大反対したが、今回は目立った反対論は出ていない。

なぜか?

答えは単純明快、今回導入される距離別料金は非常に不完全なもので、値上げにはならないからだ。

では、いいのか悪いのか?

みなさんは、「値上げにならないならいーや」と思うかもしれない。確かにそうである。「いーや」なのだ。しかしそれは「どっちでもいーや」でもある。 元旦から導入される距離別料金は、本当の意味の距離別料金ではない。民主党政権の「意地でも値上げだけは避けろ」という指示により、無理やり実施される、ほとんど何の意味もない形式的なものだ。 マスコミ界唯一の首都高研究家である私に言わせれば、今回の料金制には、いいところと悪いところがあり、差し引きゼロ。「どっちでもいい」し、「あえて実施する意味は特にない」という評価になる。

本来の導入目的、それは渋滞解消のための妙案だった、のだが・・・

距離別料金制導入の本当の意味は、公平性を上げると同時に、実質値上げを実施することにあった。これにはふたつのメリットがあった。

第一に、渋滞が減ること。首都高や阪高の料金が、NEXCOと同様、利用距離に比例する料金制になれば、高速の渋滞区間は下道(一般道)に降りるクルマが増える。それが全体の5%に達すれば、渋滞は半分程度(!)に減ってしまう。

もともと首都高は、渋滞のせいで高速道路としては平均速度が非常に低く(昼間の平均で時速40キロ程度)、その分、下道に対する時間短縮効果が低い。だからこそ「高い」というイメージを持たれていたわけだが、そこにしっかりした距離別料金を導入すれば、渋滞は大幅に減って、時間短縮効果も大幅に高まる。長距離利用者にとってはかなりの値上げになるが、時間短縮を考えればかえって割安になる……はずだった。

しかし今回の料金では、そういう効果はまったく望めない。前と同じように、一旦乗ったら目的地まで降りず、ひたすら渋滞に身を任せる利用形態にはなんら変わりない。渋滞緩和効果はゼロである。

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清水 草一
筆者清水 草一

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。代表作『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高はなぜ渋滞するのか!?』などの著作で交通ジャーナリストとしても活動中。雑誌連載多数。日本文芸家協会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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