電車が通らない時間帯の踏切一時停止の意味は?

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電車が通らない時間帯の踏切一時停止の意味は?

昔から気になっていたのですが、終電後の確実に電車が通らない時間帯でも、踏切では一時停止が原則みたいですが、これってなぜなんですか?

意味がようわかりません(マツダデラックスさん)

其の疑問、MJブロンディがお答えいたします!

踏切の一時停止義務について、マツダデラックスさん同様、「遮断機がついてるのに、意味がわからない」と感じる人は多いと思います。私の息子も、最近免許を取ったのですが、同じことを言ってました。

なので私はこう答えました。

「そう思う気持ちはわかるが、日本では、踏切の先が渋滞していることがしょっちゅうある。無警戒に踏切に進入して、もし踏切内に閉じ込められてしまったら、電車と衝突してとてつもない事故になる。そりゃもうクルマ対クルマの事故なんてもんじゃない。電車が脱線転覆でもしたら大惨事になる。絶対に踏切では一時停止して、踏切の先に自分の入るスペースがあるのを確認しなさい」

あ、スイマセン。マツダデラックスさんの質問は、終電後の電車が通らない時間帯の話でしたね。

実は終電後も、電車は走ります。それは保線車両です。なぜ電車は終夜運転できないかというと、毎日保線をする必要がある、というのが大きな理由なんですよ。なので、終電後でも、絶対電車が来ないということはないんです。

というのはどちらかというと建前で、終電後・始発前であるかどうかは、路線によって時間帯がまちまちですよね?終電後は一時停止しなくていいことにしたとして、それが実は終電前だったり始発後だったりしたらマズイ。そういうことだと思います。

実は海外では、踏切での一時停止義務はほとんどありません。これは日本だけの規則だと言ってもいいくらいです。

なので、海外で運転する場合は、「踏切で一時停止すると、追突されるリスクが高まる」ということも、肝に銘じておく必要があります。日本人はつい習慣で、一時停止してしまいますから。それは海外では、「コイツ、なにやってんだ?」という行為なのです。

なぜ海外では踏切の一時停止義務がなく、日本ではあるのか?その理由を正確に追究することはできなかったんですが、少なくとも、日本では踏切の先が渋滞していることがよくある。私が住んでいる杉並区の井の頭線沿線では日常茶飯事です。

しかし海外では、まったく見たことありません。踏切があるのはたいてい郊外部で、渋滞するような場所で踏切に出くわしたことは一度もないです。

よって私は、日本は地理的な特殊事情により、踏切の一時停止義務が必要だと感じます。これがなくなったら、今より踏切事故が増加することは間違いないでしょう。

もちろん、一時停止義務によって、踏切渋滞が悪化しているのも事実ですが、日本では、新規の踏切設置は基本的に認可されません。大都市部を中心に立体交差事業も推進されていて、開かずの踏切を解消しようと努めてます。

がんばってはいるわけです。ただ、地方ではあまり進んでいませんし、今後も「踏切の先が渋滞」というケースは消えないでしょう。

いろいろな状況を考えると、日本ではまだまだ「踏切の一時停止義務」は必要だと私は思います。

MJブロンディの「ひとりごと」

東京の環状7号線と東急世田谷線が交差する「若林踏切」は、一時停止義務がありません。

これは、踏切の代わりに信号が設置されているからです。電車もクルマも、信号に従って進行します。

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清水 草一
筆者清水 草一

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。代表作『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高はなぜ渋滞するのか!?』などの著作で交通ジャーナリストとしても活動中。雑誌連載多数。日本文芸家協会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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