クルマに記載されているタイヤの指定空気圧は上限?下限?

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クルマに記載されているタイヤの指定空気圧は上限?下限?

タイヤの空気圧についてですが、各車に記載されている指定圧は上限でしょうか?下限なのでしょうか?(みらい1)

其の疑問、MJブロンディがお答えいたします!

私は今、ランボルギーニ・カウンタックを持っているのですが、これまでタイヤの空気圧は思い切り高めにしていて、フロント2.8、リヤ3.2でした。

しかし先日、サーキットを走る前、フロント2.0、リヤ2.4に落としました。サーキットで全開走行をすると、タイヤが発熱して空気圧が高くなるからです。

そのまま家に帰り、1週間後、再び乗ってみたら、あまりにもハンドルが重いのにビックリ!

体感的には「2倍?」。それはまさに狂気の重さでした。

カウンタックにはパワステがついていないので、ハンドルの重さはモロに出ます。パワステなしのクルマを買ったのは久しぶりだったので、空気圧でこれほどハンドルの重さが変わることなど、すっかり忘れていました!

とまあムダ話から入りましたが、タイヤの指定空気圧、これは自動車メーカーが推奨している値なので、上限・下限ということはなく、一応「中央値」ということになるでしょう。

しかし実際には、「下限」と解釈しておいた方がいいのです。

なぜかというと、空気圧は高すぎる時より、低すぎる時の弊害の方がずっと大きいからです。空気圧が高すぎると、接地面積が減ることでグリップが低下したり、中央部が偏摩耗したり、乗り心地が悪くなったりしますが、低すぎる時の弊害はもっと深刻です。

燃費の低下やハイドロプレーニング現象だけでなく、最悪の場合、走行中にタイヤがバーストすることもあり得ます。また、間違って空気圧を2倍入れてしまう人はいませんが、長い間チェックせずに、空気圧が半分になってしまうことはあります。

空気圧が半分のまま高速走行をすると、タイヤの損傷やバーストの危険度が猛烈に高まります。

タイヤメーカーは、「空気圧をチェックするときは指定の1割増しで」と推奨しています。タイヤの空気は、放っておいても少しづつ抜けていくので、マージンを取って1割高めに、というわけです。

そしてそれが指定空気圧まで下がったら、また1割高めに調整してください、というわけですね。

では、空気圧はどれくらいまで減っても大丈夫なのでしょう。教科書的には、上下1割。しかし高い方はもうちょっと上、2割くらい高くても大丈夫でしょう。

タイヤグリップや乗り心地は悪くなりますが、燃費は向上します。低い方は1割がギリギリ、2割は完全にアウトですね。

MJブロンディの「ひとりごと」

タイヤの空気圧をガーンと低くして走ってみる、という体当たりテストはやったことがないのですが(笑)、若い頃、いつの間にかクギを踏んでいて、1本だけタイヤの空気圧が3割強下がった状態で走ってしまったことがあります。

その時は、明らかにハンドルが片方に取られ、非常におかしなフィーリングでした。

当時私はまだ駆け出しの編集者でしたが、それでも異変がわかったほどですから、タイヤにとっては「大異変」の危険な状態でした。

そんな大異変も、全部のタイヤの空気圧がそろって落ちていると、なかなかわからないものです。

タイヤの空気圧は、できれば月に1回、あるいはガソリン給油のたびにチェックして、指定より1割高くしておきたいものです。

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清水 草一
筆者清水 草一

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。代表作『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高はなぜ渋滞するのか!?』などの著作で交通ジャーナリストとしても活動中。雑誌連載多数。日本文芸家協会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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