ハンドリングや乗り心地ってどのクルマを基準に良いとか言ってるの?

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ハンドリングや乗り心地ってどのクルマを基準に良いとか言ってるの?

自動車評論家はハンドリングがいいとか乗り心地が固いとか、どの車種どの年代の車を基準にしているんですか?(コマキ)

其の疑問、MJブロンディがお答えいたします!

それはズバリ、実際に乗ったクルマです!当たり前ですね。

ニューモデルが発表されると、自動車メーカーはマスコミ相手にプレス試乗会を開催します。最初のインプレッションは、基本的にこの時に乗ったクルマについて書くことになります。つまり生産が始まって間もない時期のクルマですね。

しかしクルマは、同じモデルでも少しづつ中身が変わって行きます。ただそれは、同じ性能を維持したままいかにコストダウンするかが目的で、いつのまにか性能が大きく変わっていることは少ないんですね。

ある程度まとまった変更がされるのは、マイナーチェンジの時です。この時メーカーは、再び試乗会を開いたり、広報車(マスコミ用の試乗車)を入れ替えて試乗を促したりします。それで評価が変化すれば、自動車ライターは「マイナーチェンジで非常に足回りがしなやかになった」といった表現をします。

いずれにせよ試乗するクルマは限られているので、ユーザーが実際に買うクルマがそれと同じであることは、厳密にはありません。

しかしクルマは大量生産商品。メーカー側は、ユーザーの信頼を得るために、可能な限り品質を均一にするように努力していますから、我々は「それほど大きく違うことは少ない」と期待しつつ、文章を書いているわけです。

それに納得できない方もいらっしゃるでしょう。しかし我々も、1台1台すべてをチェックすることは不可能ですので(当たり前)、「まあこれくらいなのかな」という期待値で読んでいただくしかないわけです。

かつて、マスコミ向けの試乗車は特別に上等に仕上げたものを用意し、誉める記事を書かせる、といったことをするメーカーもありました。これをやられると、我々としてはお手上げです。真実を知るためには、買ってみるしかない。しかし買えるのも1台だけ。それがすべてに当てはまるとも限らない。

私はかつて、広報車ではなくレンタカーを借りてそれで試乗記を書いたこともありますが、レンタカーの状態もまた、真実の一面にすぎません。

ということで、自動車ライターとしては、「乗ったクルマはこうだった」ということを書くしかないというわけです。

MJブロンディの「ひとりごと」

フェラーリの創業者エンツォ・フェラーリは、大のマスコミ嫌いで、マスコミにクルマを貸し出すというような便宜は、一切はかりませんでした。その後、フェラーリも一部の選ばれた媒体にのみクルマを貸し出すようになりましたが、それは誉めるのが前提で、フェラーリをけなす記事など見たことはありませんでした。

私は、1993年、自らフェラーリ348tbを購入し、「まっすぐ走らない」「臨死体験」等、その真実を明らかにした上で、「それでも(それだからこそ?)フェラーリは地上唯一の自動車芸術」と書きました。

しかしフェラーリのような少量生産車は、特に昔は1台1台の品質のバラつきが大きく、それもまた「私のクルマはこうでした」という報告に過ぎませんでした。

その後私は多くの人に、「僕の348はけっこう真っ直ぐ走りますよ!」と、嬉しい報告を受けました(笑)。

いずれにせよ、我々のレポートには限界がある、ということを知った上で読んでいただければ幸いです。

現在私は、ランボルギーニ・カウンタックを買い、その真実を体験中です。それもあくまで自分のクルマについてだけですが、我々は非常に多くのクルマに試乗(チョイ乗りから購入まで)していて、一般ユーザーのみなさんより経験値が高いですから、それを背景に文章を書かせていただいているわけです。

自動車評論家MJブロンディこと清水草一氏に聞きたいことを受付中!

自動車評論家、清水草一(MJブロンディ)が、みんなの疑問に面白く答えてくれる自動車用語解説。みなさんのクルマに関する疑問についてアンケートを実施しておりますので、皆さんドシドシご応募下さい!

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清水 草一
筆者清水 草一

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。代表作『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高はなぜ渋滞するのか!?』などの著作で交通ジャーナリストとしても活動中。雑誌連載多数。日本文芸家協会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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