プリウスのカタログ燃費「38km/L」はどうすれば出せる?

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プリウスのカタログ燃費「38km/L」はどうすれば出せる?

念願の新型プリウスを購入して乗っているのですが、思っていたほど燃費がよくありません。カタログでは38km/Lと書いてありましたが、実際にはどんなにがんばっても24-25km/Lくらいでした。

運転の仕方が悪いのでしょうか?もしくは、カタログのリッター38キロという数字は実はウソなんでしょうか?(Milkさん)

其の疑問、「MJブロンディ」がお答えいたします!

トヨタ プリウス

ウソではないですが、実際にある程度の距離を走って燃費を計測する場合、我々ユーザーが一般道で出すのは、限りなく不可能に近い数字ではあります。

現在、日本でカタログ燃費と言われるものは、10・15モード燃費が中心です。これは、市街地を想定した10種類の走行パターン(0~40km/h)を3回、高速道路や郊外を想定した15種類の走行パターン(0~70km/h)を1回行った合計の燃費。

低速な市街地走行が多い日本での運転パターンを想定しており、日本国内だけで使われています。

このテストはどこで行われるかというと、試験場の屋内のローラーの上です。なぜ実際の路上でテストしないかというと、路上では気温や天候、交通状況などを一定に保つことは不可能。つまり不公平になるからなんですね。

そう聞くと「まぁ仕方ないな」と思いますが、カタログ燃費と実燃費がかけ離れてしまう原因のひとつであることは確かです。

しかも、燃費試験で運転を担当するのは、一般ドライバーではなく、スペシャルなテクニックを身に付けたメーカーのテストドライバーです。

もちろん走行パターンは決められていますが、彼らは、そのパターン内でどうすれば最もいい燃費が出るかを研究し尽くし、練習し尽くした“燃費マイスター”です。

「神の右足を持つテストドライバーがいる」などと噂されるほどで、常人ではありません。

また、国産車は、カタログ燃費でいい数字が出るように、エンジンの燃料噴射やギアをセッティングするのが普通です。さらには暖気も済んだ最高の条件でテストに臨みますこういったことが重なって、カタログ燃費と実燃費がかけ離れてしまうのです。

国土交通省も、カタログ燃費を実燃費に近づけようということで、昨年から「JC08モード」という燃費基準を導入しています。こちらはエンジンが冷えたコールド・スタートも含まれ、10・15モードより20%程度数字が悪くなりますが、それでもまだ乖離はあります。

さらにハイブリッドカーの場合は、バッテリーを満充電した状態でテストに臨みます。トヨタ系のバッテリー容量の大きいフルハイブリッドカーでこれをやると、一定距離、燃費がグンと伸びます。

こういったことが重なって、プリウスの「38km/L」という数字が叩き出され、カタログ燃費と実燃費に大きな差がついてしまっているのです。まぁ、テスト(=競争)がある以上、少しでもいい点を取ろうとするのは当然で、メーカー側を責めることはできません。

問題はテスト方法にあると言えるでしょう。実燃費で10・15モードのどれくらい出せるかは、おおむね以下の通りです。

輸入車…8割強

国産車…6割程度

ハイブリッドカー…6割位

MJブロンディの「ひとりごと」

現行プリウスの発表時、富士スピードウェイの構内道路で行われた燃費テスト(延長6km)で、私はリッター48kmという数字を出しました。構内道路だけに一般交通はなく、どれだけゆっくり加速してもOKという好条件下でした。

つまり、プリウスのリッター38kmという驚異の数字は、ひたすら燃費走行を狙えば、越えることも可能なのです。ちなみにこの時は、リッター60km近い数字を出した同業者もいました。

私も死力を尽くしたのですが(笑)、クルマを受け取った時のバッテリー残量で、燃費が大きく左右されたようです。

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清水 草一
筆者清水 草一

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。代表作『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高はなぜ渋滞するのか!?』などの著作で交通ジャーナリストとしても活動中。雑誌連載多数。日本文芸家協会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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