【高速道路】「第一東海自動車道」っていったい何のこと?
- 筆者: 清水 草一
【高速道路】「第一東海自動車道」っていったい何のこと?
中央道と名神高速は、法定路線名ではともに「中央自動車道」であるわけですが、そもそも法定路線名って何?と思われるでしょう。
高速道路は、高速自動車国道法という法律に則って建設されています。それに従って「高速自動車国道の路線を指定する政令」が発せられ、路線名が指定されます。それが法定路線名です。
しかし、法定路線名は堅苦しくて実用的ではないので、高速道路を管理する日本道路公団(現在はNEXCO各社)によって道路名が付けられ、案内標識等に表記されています。我々がふだん使うのは、この道路名の方です。
ルート争いで着工が遅れた東京~名古屋間の高速道路ですが、1960年、中央道に加えて海岸沿いの「第一東海自動車道(法定路線名)」、すなわち東名高速も建設されるということで、ようやく決着をみました。
着工時の法定路線名は、中央道と名神高速が「中央自動車道」で、うち東京~河口湖間が「中央自動車道富士吉田線」、大月~西宮間が「中央自動車道西宮線」。そして東名高速は、正式な法定路線名は「第一東海自動車道」なのです。
中央道に関しては、貫通ルートには技術的問題があったため、1962年の同時着工段階では、東名の東京~小牧間に加えて、技術的問題のない東京―富士吉田(河口湖インター)間のみ、法定路線名「中央自動車道富士吉田線」として着工。
その2年後、ようやく貫通ルートが断念され、現在の諏訪迂回ルートでの建設が決まりました。
MJブロンディの「ひとりごと」
ちなみに、当初構想された中央道の貫通ルートは、富士吉田から西進する予定になっていて、現在支線である富士吉田線こそが、本線となる構想だったのです。
東名が全線開通したのは、1969年5月26日。名神に遅れること約5年でした。中央道は1967年の調布~八王子間を皮切りに、1969年に調布~河口湖間が開通。
全線の開通は1982年、着工からなんと20年後という牛歩ぶりでした。
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