【高速道路】ヒトラーが造った「アウトバーン」

【高速道路】ヒトラーが造った「アウトバーン」
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【高速道路】ヒトラーが造った「アウトバーン」

ドイツ アウトバーン

ムッソリーニの高速道路建設に、まっさきに刺激を受けたのがヒトラーでした。

1933年、ヒトラーは首相となるとすぐに高速道路建設に着手。34年に総統に就任すると、6,900キロのアウトバーン計画を発表し、42年までに3,860キロを開通させています。そこには、イタリア同様、失業対策の公共事業という狙いもありました。

ドイツとイタリアの独裁者は、ともに高速道路建設といった公共投資による経済の活性化を図って景気を上向きにし、国民の支持を強固なものにしたわけですね。

最初に開通したフランクフルト~ダルムシュタット間(約22キロ)はすべて直線で、さっそくメルセデス・ベンツやアウトウニオン(アウディの前身)のレーシングカーによる最高速度記録樹立に使われました。

1938年、メルセデスは時速432.7キロを記録し、それを破ろうとしたアウトウニオンは、450キロで横風を受け大クラッシュ。ドライバーを務めていた伝説のレーサー・ローゼマイヤーは即死しました。

ドイツでは、戦前から時速400キロを超すクルマが作られていたという事実は、我々日本人には驚愕以外のなにものでもありません。クルマは道路環境が作るものだということがよくわかります。

また、アウトバーンは、当初から現在に至るまでドイツ国内では無料です。

MJブロンディの「ひとりごと」

アウトバーンというと長い直線がイメージされますが、高速道路にクロソイド曲線(緩和曲線)を取り入れたのもアウトバーンが初めてです。

これは、直線からカーブに差し掛かる際、ハンドルを一定の速度で切り込んでいくと、ちょうど車線に沿って走れるよう、徐々にカーブがきつくなっていく設計です。現在、日本を含む世界中ほとんどすべての高速道路が、クロソイド曲線を導入しています。

唯一イタリアだけは、一部の古い路線に「直線からいきなりカクンとカーブ」という、サーキットのような設計が残っていてビビります。

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清水 草一
筆者清水 草一

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。代表作『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高はなぜ渋滞するのか!?』などの著作で交通ジャーナリストとしても活動中。雑誌連載多数。日本文芸家協会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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