【タイミングベルト】タイミングベルトは切れてから交換してはダメ?
- 筆者: 清水 草一
- カメラマン:難波賢二
【タイミングベルト】タイミングベルトは切れてから交換してはダメ?
古い車に乗っています。この前、走行距離が10万キロを越えてディーラーへ持っていったらタイミングベルトの交換で○○万円も掛かると言われてびっくりしました。
あまりにも金額が高いので躊躇していますが、タイミングベルトって切れてから交換したらまずいのでしょうか。
その疑問、私「MJブロンディ」がお答えいたします!
残念ながら、切れてからじゃ遅いんですよ!切れてしまうと、多くのエンジンでバルブとピストンがぶつかり(バルブクラッシュ)、バルブがヒン曲がっちゃう。
いずれにせよ、その場でソク走行不能。修理には、クルマによって違うけど、だいたい数十万円かかります。そもそもタイミングベルトって何かと言うと、エンジンの回転と、バルブを上下させるカムの回転を同調させるために、エンジンの回転をカムに伝えるものなんですね。
昔は歯車やチェーンを介して伝えていたけれど、ファイバー製の芯をゴムで包んだタイミングベルトというものができて、伝達ロスや騒音・振動を大幅に抑えることに成功。以来、タイミングベルトが主流になりました。
これが切れると、カムが回らなくなって、当然バルブも動かなくなり、エンジンは機能を停止してしまうんです。タイミングベルトの寿命は、だいたい10年・10万キロと言われています。もちろんそれを越えればソク切れるわけじゃないけど、危険性が高まる、と考えてください。
交換に要する費用は、数万円から数十万円までさまざま。タイミングベルトを交換する時は、ついでにウォーターポンプなども交換することが多いので、トータルでは結構な費用が掛かってしまいます。交換に数十万円もかかるのは、エンジン搭載位置の関係でそのままでは交換作業ができず、エンジンを下ろす必要があるクルマだけです。
そういう場合は、交換工賃と切れた場合の修理工賃、プラス下取り予想価格を見比べて、「切れるまで乗る!」という、ロシアンルーレット的な道を選択するのもアリです。
MJブロンディの「ひとりごと」
タイミングベルト切れで有名なのは「フェラーリ」です。
フェラーリの場合、15年ほど前までは、タイミングベルトの指定交換サイクルが2年・2万キロと飛びぬけて短く、しかも交換には30~50万円もかかったので、オーナーにとって恐怖でした。しかも万一切れてしまうと、バルブクラッシュで修理に150~200万円もかかってしまうので、恐怖は強迫観念にまで高まるのが常でした。
現在は、ベルトの材質が向上したので、交換サイクルは6年・6万キロ程度まで延びています。また、F430以降のモデルは、タイミグベルトに代わってチェーンが採用され、切れる心配もなくなりました。
最近のクルマは、切れる心配のあるタイミングベルトをやめ、コマを小さくして抵抗・騒音・振動の問題を解決したタイミングチェーンを採用しています。
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