【馬力】馬力とトルクってなにが違うの?
- 筆者: 清水 草一
【馬力】馬力とトルクってなにが違うの?
ネットや雑誌などで、「このクルマは~馬力だから速い」とか「トルクが~もあるから余裕の加速」とか書かれていたりします。
この「馬力」と「トルク」って、両方とも数字が大きいと加速が良いというのはなんとなく分かるのですが、いったい何が違うのでしょうか?
その疑問、私「MJブロンディ」がお答えいたします!
低回転から力強く加速するクルマを「トルクが太い」と評し、高速走行時に加速の伸びがよいクルマを「馬力がある」と表現しますが、馬力はエンジンの仕事量であり、トルクはエンジンがタイヤを回す「ねじる力」そのものを指します。
バケツで水を運ぶ作業を想像してもらえればわかりやすいでしょう。トルクは、バケツ一杯分で汲める水の量。バケツの大きさはエンジンの排気量に置き換えることができます。バケツが大きいほど一杯分の水の量は多くなるのと同様に、エンジンの排気量が大きいほどトルクは大きくなります。
大きなバケツは一杯で運べる水の量が大きいので、ゆっくり作業してもそれなりに多くの水を運べるように、大排気量エンジンは、低い回転でも力強いトルクを発揮します。一方、小さなバケツでも、速く作業すれば多くの水を運ぶことができます。これが仕事量=馬力です。
小さな排気量のエンジンでも、高回転まで回せば大きな馬力が得られます。ディーゼルエンジンの場合は、1回あたりの爆発エネルギーが大きいのでトルクは高いですが、その割には馬力が低い傾向にあるのは、高回転が苦手なエンジンだからです。
ディーゼルのように最大トルクの発生回転数が低いエンジンは、アクセルを軽く踏むだけで力強く加速してくれるので、実用車を選ぶ際はトルクの方が重要だと言えるでしょう。
本来、日常的に使うトルクと、最高出力(馬力)とは、相反する関係にあったのですが、近年は、可変バルブタイミング機構などの技術革新によって、両方の性能を同時に上げることができるようになりました。
MJブロンディの「ひとりごと」
普段の運転を思い出してください。エンジンが「ギュワーン」と唸るほど、めいっぱいアクセルを踏み込むことって、滅多にありませんよね?最高出力(馬力)は、ギュワーンと唸った時の性能なので、特に日本のような低速交通環境では、あまり意味がないんですね。
逆に、青信号からの発進で、普通にアクセルを踏んだときにどれくらい力強く発進するかは、いつでもどこでも使います。これがトルクです。
最近のクルマは、本来トルクが小さい小排気量エンジンのコンパクトカーでも、低い回転から驚くほど太いトルクが出ています。技術革新ってすごいなぁ、と思います。
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