アイドリングストップで燃費を向上させるのは、本当に正しい進化なの?【教えて!MJブロンディ】

アイドリングストップで燃費を向上させるのは、本当に正しい進化なの?【教えて!MJブロンディ】
ダイハツ 新型タントのアイドリングストップを示すマーク「ECO IDLE」 スズキ スペーシアのリアに貼られているアイドリングストップマーク 清水草一氏の愛車「フィアット クーボ」 画像ギャラリーはこちら

アイドリングストップで燃費を向上させるのは、本当に正しい進化なの?

最近の燃費競争について質問いたします。

特にハイブリッドですが、モーターで駆動してエンジンを止めているならガソリンを消費しないで当たり前。 アイドリングストップにしてもエンジンを止める仕組みは賛成しますが、それで燃費が伸びた、と主張するのはおかしいのではないでしょうか。

エンジンそのものが改良されて初めて本当の燃費競争ではないかと思うのですが。このような競争が続くと本当のエンジンの改良というか進歩がないような気がします。

一気にEV化するほうが車の正しい進歩なのでしょうか。

清水様はどのようにお考えですか?

其の疑問、MJブロンディがお答え致します!

ダイハツ 新型タントのアイドリングストップを示すマーク「ECO IDLE」

怪傑ゾロゾロさんは、とても潔癖な性格とお見受けします。エンジンを止めて燃費が伸びたと言うなんて、インチキみたいなものだ!というお考えなのですね。

が、私の意見は違います。燃費改善の目的は、燃料の使用量を減らすことであり、「燃費のいいエンジンを作ること」ではありません。 走行あたりの燃料使用量さえ減らせれば、何をやってもいいんです。

その方法は、ハイブリッドあり、アイドリングストップあり、エンジン本体の改良あり、電気自動車あり。なんでもアリなんですよ!

一気にEV化できればそれに越したことはないですが、まだEVには、航続距離の短さや充電時間の長さという致命的な弱点があり、それは不可能。よって、総EV化までのつなぎになる可能性はあるにせよ、あらゆる手段を使って燃費の向上が図られています。これは、実に真っ当な技術革新のあり方ではないでしょうか。

技術革新というものは、決められたゴールに向かって進むものではなく、ゴールがどこにあるか模索しながら前に進むものです。そのために、あらゆる方法を試す必要があります。

MJブロンディの「ひとりごと」

清水草一氏の愛車「フィアット クーボ」

アイドリングストップにしても、各社によって、始動の素早さには差があります。 私が最近購入したフィアット・クーボというディーゼル車にもアイドリングストップ装置が付いていますが、始動のレスポンスが国産各社に比べて相当悪く、ヒルスタート(上り坂で後ろに下がらない装置)もついていないので、停止のたびに気を使います。

気を使うがゆえに、アイドリングストップを使いたくなくなるシーンが多々あり、実際に切ってしまっています。すると、市街地燃費は1~2割低下し、燃料使用量が増えてしまいます。

こういった精神的わずらわしさを感じさせないことも、立派な技術革新だと私は思います。ただエンジンを止めるだけにしても、簡単ではないのではないでしょうか。

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清水 草一
筆者清水 草一

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。代表作『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高はなぜ渋滞するのか!?』などの著作で交通ジャーナリストとしても活動中。雑誌連載多数。日本文芸家協会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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