コースティングモードとアクセルオフ時のエンジンブレーキが働いているときでは、どちらが燃費がいいの?

コースティングモードとアクセルオフ時のエンジンブレーキが働いているときでは、どちらが燃費がいいの?
コースティングモードを持つ車の一例(写真は、アウディ Q3) コースティングモードを持つ車の一例(写真は、アウディ Q3) コースティングモードを持つ車の一例(写真は、ボルボ V60 R-Design) 他にもコースティングモードを持つ車の一例(写真は、ポルシェ パナメーラ S ハイブリッド) 画像ギャラリーはこちら

コースティングモードとアクセルオフ時のエンジンブレーキが働いているときでは、どちらが燃費がいいの?

コースティングモードを持つ車の一例(写真は、アウディ Q3)

先日、自動車評論家の飯田裕子さんによるオートックワンでのアウディQ3試乗レポート内で、「コースティングモード」について『アクセルオフ時にクラッチを切り離し、燃料カットをする。クラッチを切り離すことで余計なエンジンブレーキが働かず、アイドリング状態で走行が可能なため、燃料消費は0(ゼロ)ではないが、スピードが落ちない空走状態で、アクセルをオフしているわずかな時間ながら距離単位の燃費を稼ぐことができるというもの』と書かれていました。

以前にどこかの記事で『アクセルオフ時のエンジンブレーキが働いているときは燃料消費が限りなくゼロに近く、クラッチを切り離したアイドリング状態よりも燃費がいい』と読んだように記憶しているのですが、どちらが正しいのでしょうか?(ウイさん)

其の疑問、MJブロンディがお答えいたします!

コースティングモードを持つ車の一例(写真は、アウディ Q3)コースティングモードを持つ車の一例(写真は、ボルボ V60 R-Design)

結論から申しますと、瞬間的には、エンジンブレーキが働いている時の方が燃費はいいんです。なにしろ燃料消費がほぼゼロですから!

しかし、トータルで見ると、クラッチを切ってアイドリング状態での空走をうまく使った方が、燃費はよくなります。

なぜかと言いますと、コースティング状態ではエンジンブレーキがかかりませんから、その分スピードの落ちが遅く、長い距離を空走できるからです。下り坂なら、その状態で加速することもできます。アイドリングに必要なわずかなガソリンで、ある程度の距離を空走すれば、トータルでは燃費を向上させることができるというわけです。

ただし、積極的に減速している最中は、エンジンブレーキを効かせていた方が燃費は良くなります。よって、アウディQ3やボルボ60シリーズなどのコースティングモードを持つクルマは、ブレーキを踏むと自動的にコースティングモードが解除され、クラッチをつないでエンジンブレーキをかけるようにセッティングされています。

他にもコースティングモードを持つ車の一例(写真は、ポルシェ パナメーラ S ハイブリッド)

この「コースティング」は、MT車なら実に簡単です。クラッチを踏むだけですから!

MT車で高速巡航する時は、これを積極的に使うと、ある程度燃費を伸ばすことができます。

わたしはかつて、ある雑誌の燃費対決企画で、この技を使ってレーサーに勝利したことがあります。レーサーのみなさんは、「クラッチを切るとアイドリング分の燃料を消費するから、エンジンブレーキを使ったほうがいい」と言っていたそうですが、エンジンブレーキを使うと、たちまち速度が落ちてしまって、またアクセルを踏む必要があります。しかしニュートラル状態ならなかなか落ちません。特に下り坂では、こちらを使った方が有利です。

MJブロンディの「ひとりごと」

ただ、このコースティングモード、速度が出ているときは「糸の切れたタコ」のような感覚があり、若干怖いです。ブレーキを踏めば即座にモードは解除されるので、問題はないのですが、駆動力がタイヤにまったく伝わっていない状態は、アクセルでクルマの姿勢を一切コントロールできないので、恐く感じるのです。

MT車でクラッチを切って空走する場合も、そのことに留意する必要はありますね。

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清水 草一
筆者清水 草一

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。代表作『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高はなぜ渋滞するのか!?』などの著作で交通ジャーナリストとしても活動中。雑誌連載多数。日本文芸家協会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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