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自動車用語 2012/5/1 14:30

大型バスに「安全補助装置」は付いていないの?

大型バスに「安全補助装置」は付いていないの?
高速路線バス(乗り合いバス) ターミナル

ゴールデンウィークの初日4月29日、群馬県の関越自動車道で46人が死傷する痛ましいツアーバスの事故がありました。原因として運転手の過失(居眠り)が言われています。

例えば鉄道には、ATS(自動列車停止装置)のような安全装置がいくつかあって、万が一の操作ミスなどにも対応しているようですが、 そうした機能は、特に高速バスのような公共交通には付いてないのでしょうか。 また今後これからもそうした動きはないのでしょうか?(VVVFさん)

大型バスやトラックには、アイサイトのような”ぶつからない・車線を外れない”機能はないのでしょうか(TTさん ほか)

其の疑問、MJブロンディがお答えいたします!

関越道でのツアーバスの事故は、大変いたましいものでした。犠牲者のご冥福をお祈りするばかりです。

ところで、バスの衝突安全策は、どうなっているんでしょう?

まずボディの方ですが、国による衝突安全基準はなく、メーカー各社が独自の基準で作っているのが現状です。

しかし今回のように、防音壁に水平に衝突したことで、ボディがほぼ真っ二つに切れてしまうほどヤワであったことは衝撃でした。このあたり、国として基準作りに乗り出す必要があるでしょう。

最新のバス車両では安全対策も進んでいる!

日野 大型観光バス「三菱 エアロクイーン」

車体のアクティブ・セーフティ化、すなわち予防安全対策は、徐々にではありますが進んでいます。

日野自動車「セレガ」は、大型バスとして日本で初めて、全車にプリクラッシュセーフティシステムを標準装備しています。これは、乗用車のものと同様、ミリ波レーダーで障害物を捉え、事前に自動的にブレーキをかける装置です。

法の強制はないので、日野セレガがこれを標準装備にしたのは、メーカー側の責任感だけです。

また三菱ふそうでも、2010年から大型バス「エアロクイーン」「エアロエース」に、蛇行運転や車線を逸脱した際に警告音や警告表示をする機能を持つ運転注意力モニター「MDAS-III」を標準装備化しています。

いずれにしても、日本でもバスの安全に対する意識が向上しつつあるのを感じます。

「安全の基本はシートベルトから」は、自家用車のみにあらず!

主要ターミナル駅に集まり発着する「ツアーバス」

といっても、つい少し前まで、日本におけるバスは、「ぶつからないもの」「事故を起こさないもの」が存在の前提でした。

バス乗車時のシートベルトの装着も、高速道路でこそ義務付けられ、シートベルトのない古いバスは、今は高速道路を走れないことになりました。

しかしそのシートベルトも、最前列を除くと2点式で良いとされています。これは、他の先進諸国に比べると遅れています。

また、シートベルトの装着自体が、事実上、客の自由意思に任されている状況です。

「シートベルトをしてください」とは書かれていても、強制はされないので、装着しないことが道交法違反であること自体を知らないか、見て見ぬふりをしている人が大部分でしょう。

我々に出来る最低限のことは「高速バスに乗ったらシートベルトを付ける」こと

習慣とは恐ろしいものです。

もう10年以上前のことですが、イギリスでタクシーに乗った時、私はシートベルトをするのを忘れました。当時の日本は、後席シートベルトの装着義務がなく、タクシーの後席でベルトをする人などほとんどいなかったからです(日本での義務化は2008年から)。 しかしイギリス人の運転手は、私に「シートベルトをしてください」と言い、装着を確認するまで発進しませんでした

習慣になればなんでもないことですが、実はこれ、未だに日本では、完全に習慣になったとは言えませんよね。

警察も、客がシートベルトをしていないタクシーを、あえて取り締まってはいません。

多くの日本人は、今でも「バスは事故を起こさないし、シートベルトもしなくていい」という感覚を持っていると思います。

しかし、バスを運転しているのも人間なので、ミスを起こすこともあります。そしてそれは、鉄道や航空機に比べると、かなり高い確率です。

とりあえず我々にできることは、シートベルトをすることです。2点式では、上半身を前席にぶつけることになりますが、車外放出はかなりの確率で防げます。バスから車外に放り出されたら、まず助かりません。

もちろん今回の事故のように、車体がほぼ切断されるほど破壊されるようなケースでは、シートベルトもあてにはなりませんが、死ぬ確率を低くする手段だけは、講じておきたいものです。

MJブロンディの「ひとりごと」

高速路線バス(乗り合いバス) 発着駅

そして、管理する立場である国は、バス運行やトラック輸送に関して、過当競争を防止する策を打っていただきたい。

競争は、資本主義社会にとって最大のエネルギー源ですが、分野によっては、行き過ぎると安全性が損なわれます。過度な規制緩和は、労働条件の過度の悪化を招くのです。

車体側の安全対策の向上も大事ですが、そちらはもっと重要だと言えるでしょう。 それで運賃が上昇することになっても、ある程度仕方ありません。

※画像は全てイメージです

筆者: 清水 草一
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