【比較】スバル レヴォーグ vs スバル レガシィツーリングワゴン どっちが買い!?徹底比較(2/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
レヴォーグ vs レガシィツーリングワゴン -走行安定性対決-
操舵感と走行安定性はレヴォーグが勝る。小さな舵角から、操舵に対する反応が正確だ。機敏に向きを変える設定ではないが、質感が高い。レガシィツーリングワゴンも同じ方向性だが、レヴォーグに比べると動きが少し鈍い。
走行安定性は、両車とも後輪をしっかりと接地させることを重視している。その上でレヴォーグは自然に曲がる感覚に仕上げた。レガシィツーリングワゴンも基本的には同じ方向性だが、ボディが少し重く感じる。車両重量も少し上まわるが、感覚的にはそれ以上の違いだ。
レヴォーグのプラットフォームは、基本的な造りはインプレッサに近いが、各部に補強を加えて次期型のWRXに近い仕上がりを見せる。ボディ剛性もレガシィツーリングワゴンに比べて40%以上高まり、ムダな動きが削ぎ落とされた。そのために車両の動きが正確になり、ボディが軽く感じられる。
乗り心地は、レヴォーグのホイールベース(前輪と後輪の間隔)がレガシィツーリングワゴンよりも100mm短く、前後方向の揺れという点では不利を伴う。それでも路面の細かな振動を吸収する能力はレヴォーグが勝る。これもボディの剛性を高めた効果が大きい。
レヴォーグ vs レガシィツーリングワゴン -室内空間対決-
以上のように走行性能、乗り心地、燃費性能については、レヴォーグが優れている。現行レガシィツーリングワゴンが登場したのは2009年5月、レヴォーグの正式発表は2014年4月だから、約5年間の隔たりがあり、レヴォーグは順当に進化した。
ただしボディサイズに左右される居住性は別だ。特に後席はレヴォーグよりもレガシィツーリングワゴンの方が快適に感じる。前述のようにホイールベースに100mmの差があり、全高も50mmほどレガシィツーリングワゴンが上まわるからだ。
身長170cmの大人4名が乗車した場合、レヴォーグの後席に座った同乗者の膝先空間は握りコブシ2つ分少々。レガシィツーリングワゴンは3つ弱を確保する。
しかもレヴォーグは着座位置が少し低いので、腰が落ち込んで膝が持ち上がりやすい。レガシィツーリングワゴンの着座位置は適度で、自然な姿勢で座れる。頭上の空間も異なり、レヴォーグは握りコブシ1つ分、レガシィツーリングワゴンは2つ弱が収まる。レヴォーグの後席の居住性はインプレッサに近く、4名で乗車した時の快適性で選ぶならレガシィツーリングワゴンだ。
そしてレヴォーグの後席で注意したいのは、1.6GT-Sアイサイトと2.0GT-Sアイサイトだ。この2グレードの運転席には、電動ランバーサポートを備えたスポーツシートが装着され、後席の右側に座った乗員の足が運転席の下に収まりにくい。そのためにほかのグレードに比べて座り心地が窮屈になる。大人4名で乗車する機会の多いユーザーは注意したい。
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