ボルボ 新型XC90の真打ち、プラグインハイブリッド「XC90 T8 Twin Engine AWD Inscription」(PHEV) 国内初試乗レポート(4/4)
- 筆者: 五味 康隆
- カメラマン:阿部昌也/ボルボ・カー・ジャパン
モーターだけで100km/hの走行も可能
200V(16A)x3時間弱で9.2kWhのバッテリーは満充電になり、カタログ値では35.4kmのEV航続距離を可能にする。もちろん充電しなくても、これまで十分に述べてきたT8の良さを堪能できるが、もちろん環境が整うなら充電したほうが魅力は高まる。
特に電気モーターだけで時速100キロ走行も可能になるその世界は、T6 AWDなどでは絶対に得られない次世代感と静粛性、高級感などが漂う。
またスポーティに走っている時も、バッテリーが潤沢にあるとリアタイヤの駆動も積極的に使えるので安定性が高まる。
ちなみに今の一言で勘付いたと思うが、このXC90 T8 Twin EngineはAWD(4輪駆動)。
後輪はモーターのみのドライブ。そもそもの新シャシー性能が高く、リアが踏ん張るのでハンドリングにしっかり感が出ているが、要所でリアが積極的に動く電動駆動があったほうが、よりしっかり感と意のまま感が高まる。
大型バッテリー等を搭載しながら室内や荷室空間への影響は最小限に留まる
最後にXC90 T8 Twin Engine AWDはプラグインハイブリッドではあるが、フラッグシップらしい室内空間を備えていることも付け加えておこう。
ボルボの暖かみのある基本テイストや、XC90が持つ後席の広さや開放的な空間、3列シートの設定などをそのまま継承した。
それは、通常の4輪駆動モデルだとエンジン出力を後輪に伝えるプロペラシャフトを通すセンタートンネル部に、ハイブリッドバッテリーを賢く搭載出来ているからだ。
そのうえで各種ハイブリッド専用のモニター表示の分かりやすさや、電子シフトノブをクリスタル製にするなど、主張しすぎないさりげない高級感を備えている。
ベースの高い完成度に、PHEVの新たな魅力が加わった
新生ボルボの最新モデル、XC90×プラグインハイブリッドは、クルマ本来の仕上がりの良さと電気を使った次世代感が存分に出ている。
その完成度の高さは、SUV好きのアクティブなライフスタイルを愉しむ方にとって激オススメレベルだ。
[レポート:五味康隆/Photo:阿部昌也/ボルボ・カー・ジャパン]
「VOLVO NEW XC90 T8 Twin Engine AWD Inscription」(PHEV) 主要諸元
全長x全幅x全高:4950x1960x1760mm(エアサスペンション非装着車は全高1775mm)/ホイールベース:2985mm/車両重量:2340kg(エアサスペンション非装着車は2320kg)/駆動方式:電子制御AWDシステム(エンジン+モーター)/乗車定員:7名/エンジン種類:「Drive-E」直列4気筒 インタークーラー付スーパーチャージャー&ターボチャージャー DOHC 直噴ガソリンエンジン+プラグインハイブリッドシステム(ガソリン+電気)/総排気量:1968cc/エンジン最高出力:320ps(235kW)/5700rpm/エンジン最大トルク:40.8kg-m(400N・m)/2200-5400rpm/電動機(モーター)種類:交流同期電動機/モーター定格出力:(前)22kW(後)28kW/モーター定格電圧:(前)350V(後)309V/モーター最高出力:(前)34kW/2500rpm(後)65kW/7000rpm/モーター最大トルク:(前)160Nm/0-2500rpm(後)240Nm/0-3000rpm/駆動用バッテリー:リチウムイオン電池(電圧:360V/容量:26Ah/送電圧:360V)/トランスミッション:ギアトロニック 電子制御8速オートマチックトランスミッション/エネルギー消費効率:15.3km/L[JC08モードハイブリッド燃料消費率]/充電電力使用時走行距離:35.4km(プラグインレンジ/国土交通省審査値)/電力消費率:4.10km/kWh(国土交通省審査値)/EV走行換算距離:33.7km(等価EVレンジ/国土交通省審査値)/タイヤサイズ:275/40R21(前後)/最小回転半径:6.0m/車両本体価格:10,090,000円[消費税込]
この記事にコメントする