ボルボ XC60 T5 R-DESIGN 試乗レポート／岡本幸一郎(1/2)

人気の高いR-DESGINが低価格で

かつてSUVといえば、大柄な車種が主体だったが、世界の各社が市場に参入し、徐々にダウンサイジングが図られた。そんな中、ボルボが投入したミドルサイズSUVが「XC60」だ。2009年からは日本にも導入されている。

実はXC60、このところグローバルでは、ボルボのラインアップ全体におけるベストセラーモデルとなっているという。

ステーションワゴンの「V70」をベースとするクロスオーバーモデル「XC70」よりもさらに高めの車高とするなど、本格的なSUVとしてのテイストも持ち合わせていながら、かつスタイリッシュであるところが受けているのだろう。 日本の道路事情下でも、全幅こそ1.9m近いものの、全長や全高はそれほど大きくなく、それほどもてあますことなく使えそうだ。

そのボルボXC60は、当初は3リッター直6エンジンを横置き搭載するT6のみの設定だったところ、ほどなくR-DESIGNが加わり、さらには2リッター直4エンジンを搭載するFFの「T5」が追加されるなど、バリエーションの拡大を図ってきた。

ただし、ボルボの他モデルで人気の高いR-DESIGNについては、これまでXC60では最上級のT6のみでしか選べなかった。そこに今回、特別仕様車として「XC60 T5 R-DESIGN」が加わった。

価格は569万円（※消費税込み。以下同）。ご参考まで、T5が499万円、T6が619万円、T6 R-DESGINが679万円となっているので、T6 R-DESIGNに対しては110万円も安く、T5に対しては70万円程高い。T5 R-DESIGNはベース車に比べ70万円高だが、その価格以上の大きな満足感を得られることは確実であることを、以降の記事よりご想像いただければと思う。

各部が専用に仕立てられたR-DESIGN

もともとXC60は、SUVとしては異彩を放つクーペ的なフォルムやドライビング性能が身上のクルマ。その魅力をさらに高めるべく、個性的なルックスとスポーティなドライブフィールを際立たせたのがR-DESIGNシリーズだ。

具体的な仕様を述べると、走りに関する部分では、ノーマル比で10％強化した強化スポーツサスペンション、強化ショックアブソーバー、強化アンチロールバー、10％クイックにしたステアリングギアレシオなどが与えられている。

内外装について、まずエクステリアでは、シルクメタルトリム＆ドアミラー、グリル、サイドスカッフプレート、フルエクステリアカラーコーディネート、専用デザインの20インチホイール＆タイヤ、リアスキッドプレート、90mm径のデュアル・スポーツテールパイプなどが与えられる。

なかでも写真の「レーベルブルー」のボディカラーは、今回2013年モデルのR-DESIGNより設定された専用色だが、なかなか強烈なインパクトがある。気になる方は是非ボルボディラーで実車を確認して欲しい。

インテリアも、スムースレザーを用いたサポート性に優れるスポーツシートや、専用ステアリングホイールおよびパネル、アルミニウムペダルなど、各部が専用に仕立てられている。

視覚的にも高揚感を演出してくれるのは見てのとおりだが、ドライブしても、ワインディングを攻めたくなる味付けが楽しい。リズムをつかめば、クイックなステアリングと軽快なノーズの入りによって面白いように向きを変えていく。

十分に確保されたストロークにより路面追従性も高い。スポーティで、かつ操縦安定性の高い走り味だ。