熟成の旨み、これぞベスト「V40」/ボルボ 新型 V40[2016年7月マイナーチェンジ] 試乗レポート(3/3)
- 筆者: 森口 将之
- カメラマン:阿部昌也/ボルボ・カー・ジャパン
デビューから約3年、さらにボルボらしさが増した新型V40
今回は東京都内の試乗だったので、高速性能やハンドリングなどをチェックすることができなかったけれど、3年前のデビュー時に比べると、いろんな部分が熟成されて、ボルボっぽくなったと感じた。
日本仕様のV40は、当初はハードなダイナミックシャシーを装着していたが、2014年にやや穏やかなツーリングシャシーに切り替わり、乗り心地が向上した。同時にT5の2リッターエンジンは直列5気筒から新世代の「Drive-E」(ドライブ・イー)直列4気筒にスイッチ。翌年はクリーンディーゼルD4投入に続き、ベースエンジンとしてガソリン1.5リッター4気筒ターボのT3が加わった。
といっても、T3とて152ps/25.5kgmと、自然吸気で言えば2.5リッター級を発生するので、どんな場面でも1480kgのボディを不満なく加速させる。
それとともに感じたのは扱いやすさ。ターボ経験の長いボルボらしく、いつ過給が立ち上がったか分からないぐらい自然な力の出し方であることに加え、6速のトランスミッションがアイシン製トルコンATなので、こちらが望むとおりの加速をスムーズにデリバリーしてくれる。
熟成の旨み、これぞベスト「V40」
それでいてV40の中ではもっとも穏やかなキャラクターだけあって、乗り心地はまろやか。しかもファブリックシートは、座った瞬間にホッとできるほどの心地良さだった。これもベストV40と感じた理由のひとつだ。
V40が市販車世界初採用だった歩行者エアバッグが、今回全車標準装備になるなど、ボルボ自慢の安全性もしっかりアップデートしている。でもそれ以上に、スペックに表れない豊かさをさまざまな部分から感じた。モデル後期ならではの熟成の旨みを味わえた。
[レポート:森口将之/Photo:阿部昌也・ボルボカージャパン]
ボルボ 新型 V40「T3 Momentum(モメンタム)」主要諸元
全長x全幅x全高:4370x1800x1440mm/ホイールベース:2645mm/乗車定員:5名/車両重量:1480kg/駆動方式:前輪駆動(FF)/エンジン種類:「Drive-E(ドライブ・イー)」インタークーラー付ターボチャージャー DOHC 直列4気筒 16V ガソリン直噴エンジン/総排気量:1497cc/最高出力:152ps(112kW)/5000rpm/最大トルク:25.5kg-m(250N・m)/1700-4000rpm/トランスミッション:ギアトロニック 6速オートマチックトランスミッション/燃料消費率:16.5km/L[JC08モード燃費]/タイヤサイズ:205/50R17/メーカー希望小売価格:3,840,000円[消費税込み]
※試乗・撮影車には「PCC(パーソナル・カー・コミュニケーター)キーレスドライブ」(31,000円)/「パーク・アシスト・パイロット/パークアシスト・フロント」(52,000円)のメーカーオプション及びオプションパッケージ等を装着
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