ボルボ大躍進の陰に整備部門”CS”向上の努力アリ|40年来のコミュニケーション戦略「VISTA」を徹底分析(4/4)

  • 筆者: 遠藤 イヅル
  • カメラマン:ボルボ・カー・ジャパン/遠藤 イヅル
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最新モデルへの対応力も試される

夫婦で説明を聞いている途中で、奥様が「荷物をクルマに積んできちゃうね」と立ち上がる。

観客席の前に置かれているXC60が彼らのクルマという設定だ。奥様の荷物は多いが、それに競技者が気づいてクルマまで運んであげられるかどうかにも注目した。

そして奥様はスタッフに「そういえば」とカーナビとワイパーのアイコンが消えたことを伝える。そう、このトラブルも設問と連動しているのだ!

そこでスタッフは車内に奥様を案内し、ワイパーのアイコンが画面から消えてしまった件の直し方を説明する。ワイパーのアイコンはスマホのアプリアイコンのように長押しで移動できるので、うっかり子供(名前はまさし君という裏設定あり)が触ってしまいアイコンが画面の一番下に移動してしまったというのが模範解答だった。

また、「ナビの音声入力がうまくいかない時がある」という悩みについては「施設検索」と言ってから行きたいところ(今回は「東京タワー」)を伝えれば正しく認識される。最近のモデルからこの仕様になったのだという。

競技者の音声入力でもうまくいかなかったチームがいくつかあった中、今回「このディーラーなら安心だな」と思わせたのは、繰り返して試すのではなくすぐに「調べて改めてご連絡します」と顧客に伝えたチームの対応だった。顧客役の俳優さんたちは見事に顧客になりきるので、スタッフの応対が悪いと「うん、よくわかんないけど大丈夫みたい(でもこれでいいのかな?)」などと素直でリアルな対応をする。「調べてご連絡します」と言われた時に奥様役の俳優さんも「それなら納得」という表情をした。それは「良い対応」だったからなのだろう。

上位チームはスウェーデン、そして優勝チームは世界大会へ!

VISTAで上位3名まで入ったチームと準決勝で特別に準決勝進出チームから「ワイルドカード」で選ばれた合計4チームは今年の6月にイエテボリで開催される「VISTA2018 ウィナーズカンファレンス」に招待される。そして優勝チームは「VISTA2018 ワールドチャンピオンシップ」の出場権を得て世界一を目指すことができるのは先に記したとおりだ。

CS−VECS2017に続いて、ボルボ・カー・ジャパンがCSナンバー1を目指す取り組みの一つとなるVISTA2018を観戦する機会を得て感じたことは、各スタッフの真摯さと「ボルボ・カー・ジャパン全体が持つ、目標を目指す一体感」だった。

各個人の満足度が異なる感覚的評価となるCSに関して基準となる指標を持ち、全てのスタッフが共有できるようにすることは大変難しいことだと思う。しかしそれを地道な努力によって着実に実行し、素晴らしいスタッフを育て上げていくボルボ・カー・ジャパンのCS向上に対する本気度の高さにも感銘を受けた。

今後のボルボ・カー・ジャパンのさまざまな活動に引き続き注目したいと思う。

[レポート:遠藤 イヅル/Photo:ボルボ・カー・ジャパン/遠藤 イヅル]

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遠藤 イヅル
筆者遠藤 イヅル

1971年生まれ。カーデザイン専門学校を卒業後、メーカー系レース部門にデザイナーとして在籍。その後会社員デザイナーとして働き、イラストレーター/ライターへ。とくに、本国では売れたのに日本ではほとんど見ることの出来ない実用車に興奮する。20年で所有した17台のうち、フランス車は11台。おふらんすかぶれ。おまけにディープな鉄ちゃん。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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