ボルボ S60 試乗レポート／岡本幸一郎(3/4)

低価格・低燃費で注目のグレード「DRIVe」

日本でのラインアップは、「S60 DRIVe」（価格375万円）、「S60 T6 AWD SE」（価格519万円）、「S60 T6 AWD R-DESIGN」（価格579万円※受注生産）という3タイプ。

DRIVeは、新開発の1.6リッター直噴ターボエンジンを積む前輪駆動モデル。

T6には、3リッター直列6気筒ターボエンジンを搭載。駆動方式は、予めある程度の駆動力を後輪にも配分するプレチャージ式の電子制御AWDとなる。そして、サスペンションはそれぞれ3通りのセッティングが施されている。

中でも注目は、やはり低価格でかつ低燃費を訴求した「DRIVe」だろう。

最高出力132kW［180ps］、最大トルク240Nmというスペックで、低回転から十分なトルクをフラットに発生し、「1.6リッター」と聞いてイメージするよりもずっとよく走る。

また、同車のみトランシミッションにデュアルクラッチ式のパワーシフトが組み合わされるのだが、こちらもデュアルクラッチ特有の扱いにくさをあまり感じさせることもなく、乗りやすくて好印象。

ちなみに同車は、ボルボ初ならびにセグメント初のエコカー減税適合車である。

一方の3リッターターボエンジンは、最高出力224kW［304ps］、最大トルク440Nmと、やはり強力。

横置きとはいえ、いまや貴重な直列6気筒エンジンならではのスムーズで上質な吹け上がりを楽しむことができるのがうれしい。また、3リッターという排気量がもたらす余裕の大きさも、いうまでもないだろう。

DRIVeとの価格差はそれなりに大きいものの、このフィーリングを手に入れるがために、こちらを選ぶというのも大いにアリだと思う。