ボルボ XC60 試乗レポート/森口将之(4/4)

ボルボ XC60 試乗レポート/森口将之
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注目は標準装備のシティセーフティ

森口将之とボルボXC60イメージ

しかも乗り心地はハードではない。しっとりという言葉が使えるほどだ。車高の高さ、ロールの少なさを考えれば驚きである。直進性の高さも印象的だ。荒れた路面でもステアリングに軽く手を添えるだけでまっすぐ進むという、歴代ボルボが備えてきた美点はしっかり受け継がれている。

もうひとつ、標準装備のシティセーフティについても触れておきたい。衝突の75%は30km/h以下で発生しているというボルボの事故調査に基づいて生まれたシステムで、30km/h以下で走行中に追突の可能性を察知すると急ブレーキをかけ、15km/h以下なら衝突を回避し、15~30km/hであれば衝撃を軽減してくれるというものだ。

クルマの形をしたクッションを使ってテストしてみると、急ブレーキとともに15km/h以下では直前で停止し、25km/hぐらい出してもコツンと当たるだけですんだ。同じようなシーンで減速や警告を発する装備は経験があるが、前車にぶつからず完全停止するのは市販車では初めて。これは画期的だ。

599万円という価格は、同レベルの性能を持つBMWやアウディよりリーズナブルだが、シティセーフティの実力を知った身としては、その差は数字以上に思えた。カッコいいデザインと気持ちいい走りを手に入れても、「安全のボルボ」はそのままなのである。

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森口 将之
筆者森口 将之

1962年東京都生まれ。モータージャーナリスト&モビリティジャーナリスト。自動車専門誌の編集部を経て1993年フリーに。各種雑誌、インターネット、ラジオなどのメディアで活動。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。グッドデザイン賞審査委員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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