ボルボの未来を決定付ける新たなマイルストーン／ボルボ 新型「XC90 T6 AWD」試乗レポート(3/5)

ヘッドランプのモチーフに使用されたのは、伝説の神が手に持つ”アレ”だった

その大きな変化を表すひとつの標がデザインの変更だ。

特に、LEDヘッドライト周りの表情の変更は、XC90にワイドでローな、スポーティーな精悍さを与えている。ライトの内部にあしらわれた“T”を横に倒したようなモチーフは、北欧神話に出て来る雷神“ソー(Thor)”の持っている、ハンマー状の武器を表しているという。

なんたるロマンチック！

神話・民話好きの血が思わず騒いでしまう。

美しく新しいインテリアデザインに惚れこむ

新しいデザイナーを迎えて製作された、内装も美しい。

生活の相棒としてボルボを選んだほぼすべての人が、この内装の質感に少なからずも惚れ込んだであろう世界観は、新しいナビゲーションシステムを得てさらに洗練された。

ナビゲーションシステムの中心となるディスプレイ部分は、9インチの大きさながらエアコンの送風口に挟まれる形でしっくりと収納されている。

操作感も上々だ。

最近主流の静電容量式ではなく、赤外線方式を採用しているために指を画面に押し付ける必要はないばかりか、なんと手袋をしていてさえ操作に反応するものだから、ネイルに凝った爪の長いお嬢さん方にもストレスのないタッチを実現したのは嬉しい。

操作自体は走行中にも行えるようになっていて(ただし助手席の人に任せてくださいね！)全車標準装備としてAppleのCarplayにも対応。iPhoneユーザーにはストレスのないシンクロを提供するから、電話帳の呼び出しも超簡単。それになにより、iPhoneに入っている音楽をいつでも聴きたい私としては大歓迎だ。

スウェーデン・イェーテボリのコンサートホールの音を車内で再現

音楽と言えば、オーディオにも新しい取り組みがなされている。

「Bowers ＆ Wilkins」(バウワース・アンド・ウィルキンス)製の19スピーカー、12チャネル。

サブウーハーをリアホイールアーチに配する世界初の技術で、奥行きのあるサウンドを楽しめる。どこまでも北欧由来を求めるボルボらしく、オーディオで選択できる「コンサート・モード」はイェーテボリ・コンサートホールの音響を再現しているという。

室内の細部にまでこだわりぬく、ボルボの繊細な感性にうっとり

メーター類が収まる12.3インチ液晶ドライバーディスプレイも、4モードが選択できるデジタル方式に一新。こちらも締まったフォントが美しく、かつ視覚的にもかなり見やすい。

今回、エンジン始動ボタンがセンターコンソールのシフトノブの手前に置かれたのだが、その始動ボタンと、さらにその手前に置かれたバレル状のドライブセレクトスイッチは、まるで調度品みたいなダイヤモンド形の掘り込みがなされているのにも目が吸い寄せられる。

ディテールにこだわる繊細な感性もボルボだからこそできるこだわりだと思う。

[期待が高まる走行性能は・・・次ページへ続く]