ボルボ V60 T4 R-DESIGN 試乗レポート/岡本幸一郎

ボルボ V60 T4 R-DESIGN 試乗レポート/岡本幸一郎
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設定された台数は『特別限定車』の10倍増の1000台に! ベース車との差額は実質わずか10万円

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3月に「特別限定車」として発売された、セダンの「S60 T4 R-DESIGN」が、当初の限定100台近くを早々に売り切ったようだ。

そして今回は「特別仕様車」という扱いで、セダンのS60とワゴンのV60両方の「T4 R-DESIGN」が発売されたのだが、前回の特別限定車の売れ行きを鑑みて、限定販売台数はセダンが300台、ワゴンが700台の、計1000台と大幅に増やされている。

価格は、S60 T4 R-DESIGNが448万円、V60 T4 R-DESIGNが468万円。ベースのDRIVeとの価格差は73万円で、S60では3月に売り切れた特別限定車に比べると13万円高くなっているのだが、これは本革シート(10万円)とキーレスドライブ(3万円)が標準装備されたため。

ちなみに本革シートが、最上級の「T6 AWD R-DESIGN」には25万円でオプション設定されているものが、このクルマでは10万円で装備される計算になる。そして、残る差額60万円の内訳は、ナビパッケージ相当を25万円、レザーパッケージ相当を25万円とすると、R-DESIGN化のための価格上昇分は、実質わずか10万円にすぎないことになる。

今回の特別仕様車がいかにお得であるかが、ご理解いただけるだろう。

それだけではない。「CITY SAFETY」は全車標準装備だが、ボルボ独自の安全装備である「HUMAN SAFETY」(歩行者検知機能付追突回避・軽減フルオートブレーキ・システム)や、全車速追従機能付ACC、車間警告機能、ドライバー・アラート・コントロール/レーン・デパーチャー・ウォーニング、BLISなどといった最新ドライバー支援機能をセットにした「セーフティパッケージ」のオプション価格が、本来は25万円のところ、この記事の掲載時(2012年5月15日)からしばらくはキャンペーンにつき10万円となっていることも見逃せない。

前回の特別限定車を買いそびれたとか、もしも同じ仕様のワゴンが出たら買おうと思っていた人にとっては大朗報。ここまで読んだだけで、すでに欲しくなったという人も多いのではないだろうか?

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徹底されたR-DESIGN専用装備の数々。ワゴンとしての実力も侮れない

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ここからは、V60 T4 R-DESIGNについてより具体的におさらいしていこう。

外見は、最上級のV60 T6 R-DESIGNとエンブレム以外は何ら違わない。R-DESIGNならではの特権として、フロントでは専用フロントバンパー、シルクメタル仕上げ専用グリルフレーム、ピアノブラック仕上げ格子グリル、R-DESIGNエンブレム、リアでは専用ディフューザー付リアバンパー、90mmデュアル・スポーツテールパイプなどが与えられる。

ダイヤモンドカット仕上げの専用5本スポーク18インチホイールもとてもスタイリッシュだ。

なお、ボディカラーは前回の特別限定車にも設定されていた写真のブラックサファイア、パッションレッド、アイスホワイトに、エレクトリックシルバーの4色から選べる。

インテリアは、フロントのシートバックにR-DESIGNロゴがエンボスで刻印された専用本革スポーツシートが装備される。このシートこそ、前回の特別限定車との大きな相違点である。大ぶりだがサポート性に優れ、見た目にも満足感の高い上質なシートだ。

メーターパネルは専用アルミニウムベゼル付き。特徴的なブルーのカラーリングが施されている。センタースタックのダイヤルから広がる波紋状のサークルパターンデザインを持つ専用のアルミニウムパネルも特徴的だ。

その他、グリップの太い本革/シルクメタル・スポーツステアリングホイールや、同じくパーフォレーテッドレザーを用いたシフトノブ、アルミをベースにリブ状のラバーを配したフットペダルなどスポーティムードを高める数々の装備もR-DESIGN専用となっている。

V60というのは、“史上もっともダイナミックなボルボ”とボルボ自身が表現するエモーショナルなデザインのS60に、さらなるスペースと利便性を与えたモデルという位置づけ。

そこはやはりボルボ。ワゴンを求めるユーザーの割合が高いはずだが、気になる荷室の広さは、ボディ後端にかけて絞り込まれているため制約を受けるものの、容量としては十分だろう。

R-DESIGNとして何か新しいことを施しているわけではないが、一部を上げて仕切りとして使えるフロアや、分割式セーフティネットなど、ワゴンとしての使い勝手に細やかな配慮がなされていることをあらためて痛感させられる。

このクルマはワゴンとしての実力もけっして侮れないのだ。

乗り心地は固めだが、軽快でキビキビとしたドライブフィール

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足まわりは、前回の特別限定車と同じく、今回の特別仕様車もT6 R-DESIGNと同じセッティングが施されている。

つまり、3リッターターボエンジンを積みAWDで重いT6 R-DESIGNに合わせてスポーティに味付けしたものを、そのままエンジンが小さく駆動システムもシンプルな、軽いT4 R-DESIGNに装着している。

 具体的には、V60の場合で前軸重が150kg、後軸重が90kg、合計で車両重量では240kgも軽くなっているのだが、この差は小さくなく、相対的にバネレートや減衰力をかなり高めたのと同じ意味合いとなる。なので乗り心地が固めという印象が強い。

ボルボがT4R-DESIGNで訴求したいのは「軽快でキビキビとしたドライブフィール」という。

その意味では、たしかに現在のボルボのラインアップ全体の中でも、もっともスポーティ(高性能という意味ではなく)なドライブフィールを持つワゴンには違いないのだが、個人的には、もう少しソフトなほうが好ましい、あるいはソフトな仕様も選べたほうが良いように思えた。

以下もおさらいとなるが、パワートレインは、DRIVeと同じ1.6リッター直噴ターボエンジンと、6速ギアトロニック付きDCT「パワーシフト」の組み合わせ。駆動方式はFFだ。

スペックは、最高出力132kW[180ps]/5700rpm、最大トルク240Nm[24.5kgm]/1600~5000rpmで、動力性能は排気量からイメージするよりもずっとパワフル。

登坂や高速からの再加速の際に、過給が十分に得られない場合には、リニアに加速するまでにワンテンポ遅れるときもあるが、シフトダウンしてエンジン回転数を上げてやれば問題ない。願わくは、その操作をより容易に行なえるパドルシフトの追加を望みたいところだ。

パワーシフトは、一般的なDCTが苦手としがちな発進のつながりもスムーズで、変速ショックもごく小さく、いたって扱いやすい。 ちなみにJC08モード燃費は12.8km/Lで、排ガス基準75%低減レベル(★★★★)を達成している。

そんなわけで、乗り心地の件はあれど、V60 T4 R-DESGINは知れば知るほど「欲しい!」と思わせる要素をあれこれ身に着けているインポートスポーツワゴンだ。

メルセデスCクラスや、BMW3シリーズ、アウディA4などの同様のキャラクターを持つモデルと比べても、内容の充実度が高いわりに価格が抑えられているところも、もちろん魅力である。

こと安全装備にいたっては、「CITY SAFETY」ほど先進的なものは、まだ設定がない。その点も大きなアドバンテージとなるだろう。

限定とはいえ販売台数が700台もあれば、そう簡単には売り切れないだろうが、いずれにしても興味のある方はお早めに!

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岡本 幸一郎
筆者岡本 幸一郎

ビデオ「ベストモータリング」の制作、雑誌編集者を経てモータージャーナリストに転身。新車誌、チューニングカー誌や各種専門誌にて原稿執筆の他、映像制作や携帯コンテンツなどのプロデュースまで各方面にて活動中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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