ボルボ 新型XC90[2015年フルモデルチェンジ] 新型車解説/九島辰也
- 筆者: 九島 辰也
さらなる新たな世代へ突入!ハイブリッドモデルの新世代XC90が登場!
このところのボルボのラインナップを説明するとき、“新世代”というワードを使っている。「XC60」以降の、「S60」「V60」そして「V40」といったモデルがそれに当たる。
見ていただければわかるように、これらはそれまでのボルボとは一線を画す。デザインはスポーティになり、走りもかなりアグレッシブとなった。Rデザインが追加され、スウェーデンのレーシングコンストラクター、ポールスターとの関係も強化された。スカンジナビアのツーリングカー選手権(STCC)で実際に活躍しているS60をベースにしたポールスターのマシンに乗せてもらったことがあるが、かなり攻撃的であった。
そんなボルボだが、じつは進化の度合いがまたまた進んだ。なんとさらに新たな世代へ突入したのである。
2014年8月末。ストックホルムで行われた新型『XC90』のメディア向け発表会でそれは披露された。フルモデルチェンジし、まったく新しいデザインコンセプトと新世代プラットフォーム、そして自社製新エンジンとそれと組み合わせたハイブリッド車が、この新型XC90には搭載されていたのである。
次世代を睨んだまったく新しいフレーム構造
目の前に現れたXC90は存在感の強いものだった。格子のハッキリした押し出しの強いマスクがまずは目に飛び込む。そして気づいた。ボルボのアイアンマークがリデザインされている。そこからしてチカラの入れ様が違うのが伝わってきた。
デザインはすでに発表されている3つのコンセプトカーの要素を取り入れている。今年1月のデトロイトショーでお披露目された「コンセプトXCクーペ」がそれに近いだろう。3つのモデルすべてベスト・オブ・ショーに輝いているのだから、インパクトは大きい。
ディテールを見ると、ハンマー型のヘッドライトがデザインアイコンのひとつに挙げられる。きっとXC90以降すべてのモデルに踏襲されるに違いない。LEDで光らせるその造形が、遠くからでもボルボと認識させるものになる日は近い。
また、インテリアではこれまでなじみの深かったフローティング型センタースタックが消えた。そして代わりによりゴージャスで高級感のあるプレートが用意される。また、素材のこだわりは強く、トリム表面に美しいウッドパネルを貼ったものを目にした。どうやらボルボのカラーチームはいま素材にチカラを入れているようだ。
そんな新デザインの下のシャシーフレームが新しい。ボルボはこのクルマからSPA(Scalable Product Architecture)と呼ばれるモジュラー式シャシーフレームを採用する。これは次世代を睨んだまったく新しいフレーム構造で、ガソリンやディーゼルエンジンはもちろん、ハイブリッドやEVにも対応する。つまり、モーターやバッテリーの置き場まで想定してつくられた。
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