フォルクスワーゲン e-up! 海外試乗レポート/桂伸一(2/2)

フォルクスワーゲン e-up! 海外試乗レポート/桂伸一
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「そうだよね」と賛同したくなるリニアリティ

VW e-up!
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e-up!の動力源は、60kW(82ps)210Nm(21.4kgm)のパワーとトルクを誇るモーターを、18.7kWh/25Ahのリチウムイオンバッテリーで駆動する。平型バッテリーはおそらく“日本のアレ”と想像できるが未確認。後席下に固定されるバッテリー重量は230kg。up!(エンジン仕様)に対して、ほぼバッテリー分の重量増となるが、低重心化と前後重量バランス50:50になり、リアサスペンションにも荷重が加わる事で、路面の凹凸から受ける衝撃を滑らかにストロークさせて吸収。結果として乗り味もマイルドになり、同時にハンドリング性能でもe-up!が勝る。

外見はデカール、内装はメーターなど、細部を見なければe-up!を識別する事は難しい。何の変哲もないつまらなさ。だが、それこそがすでに完成しているという証。

アクセルに軽く足を乗せるとジワッと動く。もう「そうだよね」と賛同したくなるリニアリティ。アクセルを踏んだ量だけ自然に加速が始まる当たりまえの話(早開きを含む過敏な反応)ができていないクルマが多いなかで、EVもエンジン車でも、操作量に対する自然な応答性はフォルクスワーゲンの良心である。

0-100km/h加速は12.4秒で到達。up!(エンジン仕様)よりも明らかに速い事にも驚きだが、本当の驚きはフル加速中にもかかわらず、モーターの“ヒューン”も、インバーターの“キーン”も、ギヤ鳴りの“キュイーン”も、いわゆる高周波のメカニカルノイズ、電子ノイズもすべてカットされた静粛性だ!これが驚かずにいられるだろうか・・・!?

その未知数を早く日本で確認したい

VW e-up!
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最高速は130km/hで頭打ち。しかし航続距離は欧州モードで160km。これ、日本ではより楽になるので180kmは行けると思われる。そう、全く普通の実用車と変わらなくなる訳だ。

アウトバーンで最高速を体感する走りを展開しながら、先に試乗した方から受け継いで減った状態のバッテリー残量、走行可能距離97kmの数値が、減っては回生で復帰する、を繰り返す。どれだけ実用性が高いのか、潜在能力を持つのか、その未知数を早く日本で確認したい。

up!(エンジン仕様)のハンドリングに異論はない。が、e-up!のそれは、ポロやゴルフに迫るといっても過言じゃない。アンダーステアでも、もちろんオーバーステアなどフォルクスワーゲンのハンドリングには有り得ない安定サイドで、自在に街角をハイスピードで駆け抜けて行く。

もはやup!であってup!でないのはココ。無音の走行性と乗り味の滑らかさは「小さな超高級車」である。個人的にはBMW 「i3」が気になる1台で、実際ショー会場で送迎試乗した。“ヒューン”と加速するそれは普通のEV感覚であった。プレミアムなBMW i3とは違い、一般大衆が購入しやすいだろう価格のe-up!

衝撃波でe-up!を上回るものはない。

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桂 伸一
筆者桂 伸一

1982年より雑誌「OPTION」誌編集部員からレーシングドライバーに転身!!92~93年はR32 GT-RでN1(現スーパー)耐久シリーズチャンピオン。近年はドイツ・ニュルブルクリンクで開催される24時間レースに、アストンマーティン・ワークスカーのドライバーとして参戦。2度の優勝を飾る。日本ジャーナリスト協会(AJAJ)会員、日本カーオブザイヤー(COTY)選考委員、ワールドカーアワード(W-COTY)選考委員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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