フォルクスワーゲン 新型トゥアレグ 試乗レポート/渡辺陽一郎(2/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂幸正
「VW好き」のためのSUV
内装の基本デザインは以前と同じで、VWのパターンに沿っている。細部までていねいに造り込んだが、デザインはオーソドックスだ。水平基調で開放感があり、前後にスライドさせるATレバーも使いやすい。良くいえば馴染みやすく、新鮮味を求めるユーザーには保守的と受け取られるだろう。レンジローバーイヴォークなどとは対称的だ。「VWが好きな人に向けたSUV」ともいえる。
シートのサイズは前後席ともに余裕があり、頭上や足元の空間も広い。居住性については、LサイズSUVのメリットを感じる。床の高さはSUVでは平均的だが、コンパクトなVWティグアンに比べると高い。河を渡ったりする時に水の浸入を防ぐ効果はあるが、購入するなら乗降性を確認したい。
内装の造りは基本的に従来と同じだが、各種の装備が充実するアップグレードパッケージを選ぶと、ウォールナットを使ったウッドデコラティブパネルが備わる。シートは本革になり、電動調節とヒーターも採用。快適性と質感が高まる。
機能的な部分で注目されるのは、安全装備の充実だ。トゥアレグは従来からミリ波レーダーを使った自動ブレーキが可能な衝突回避の支援機能、斜め後方を並走する車両を検知する機能などを用意していたが、今回はバージョンアップさせた。
時速30km以下における障害物の検知性能が高まり、追突された時に自動ブレーキを作動して二次的な災害を防ぐマルチコリジョンブレーキも備わる。
このほかアップグレードパッケージでは、フロントウィンドウの上部にカメラを装着。車線逸脱を検知すると、ハンドルを振動させて警報を発する装備などもある。快適装備では、従来と同じく、車両の周囲を上空から見たような映像で表示するアラウンドビューカメラなども設定している。
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