フォルクスワーゲン The Beetle デザイナーインタビュー/フォルクスワーゲン シニアデザイナー クリスチャン・レスマナ(1/2)

  • 筆者:
  • カメラマン:オートックワン編集部
フォルクスワーゲン The Beetle デザイナーインタビュー/フォルクスワーゲン シニアデザイナー クリスチャン・レスマナ
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日本ではあまり大きく取り沙汰されないカーデザインという分野。当然カーデザイナーも同じである。

日本は自動車先進国でありながら、現代の若者の自動車離れは加速度を増す一方だ。そこでオートックワンは、クルマの楽しみ方の一つに“デザイン”という、もう一つの分野が存在することを、多くの若者に認識してもらおうと考えた。

このクルマは誰が、どんなコンセプトのもと、どんな想いで、デザインを行ったのか。話題のクルマを監修したデザイナーに、オートックワンが一早くクローズアップ。一線で活躍するデザイナー達による、その造形に託した熱いメッセージを、インタビューで解き明かす企画、それが、DESIGNERS ROOMである。

The Beetle シニアデザイナー クリスチャン・レスマナ氏にクローズアップ

Designers Room フォルクスワーゲン The Beetle クリスチャン・レスマナ

今年6月、ついに日本デビューを飾るフォルクスワーゲン The Beetle。

The Beetleのデザインを進めるにあたり、本国フォルクスワーゲン・デザイン部で、数多くのライバルの中を勝ち抜いた、インドネシア人デザイナー“クリスチャン・レスマナ”氏に、来日中の横浜で直撃インタビューを試みた。

世界中の人々が愛して止まないフォルクスワーゲン Beetleの最新モデル“The Beetle”のデザインには、一体どんな想いが託されているのか?彼の経歴から紐解いていくことにした。

初代から多くのインスピレーションを受けたThe Beetleのデザイン

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オートックワン(以下AO):レスマナさんの経歴をお聞かせ下さい。

レスマナ氏(以下L):実は父親が大のクルマ好きで、色々なクルマに乗ることを趣味にしていました。子供の頃から色々なクルマに囲まれた環境で育った影響もあり、その頃からカーデザイナーへの憧れはありました。

しかし、私の故郷であるインドネシアでは、カーデザイナーへの夢の実現はとても難しく 、そういった教育環境の整備自体が乏しいのが現状です。

そこで21歳の頃、プロダクトデザインの勉強のためにドイツへ留学しました。同時に英語とドイツ語も必死で勉強しました。留学先のフォルツハイム造形大学では、インターンシップが敷かれており、フォルクワーゲンデザイン部での実戦研修にも参加できました。

もともとは短期のインターンシップだったのですが、研修期間終了間際に、「延長してみないか」と、声を掛けられ、結局1年半をフォルクスワーゲンで過ごし、卒業制作も同デザイン部内で行うまでになりました。

同じタイミングで、当時のフォルクスワーゲンのデザインチーフが、「もしよかったらこのままここで働かないか」と声を掛けてくれました。これが今、フォルクスワーゲンでデザイナーをしているきっかけとなります。

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AO:フォルクスワーゲンデザイン部に入られて何年になりますか?

L:1997年の入社ですから、もう15年になります。

AO:これまでに手掛けて来られたモデルを教えて下さい。

L:たくさん関わってきましたが、部分的に関与したものも多いです。ですので数えるのが難しいのですが、一番最初に携わったプロジェクトがフェートンでした。その後はコンセプトD、スペック1といったコンセプトモデルを中心に携わってきて、そしてこのThe Beetleに至ったという感じです。

AO:今回のThe Beetleのデザインは、統括という立場ですか?

L:私はシニアデザイナーという立場ですが、今回のThe Beetleに関しては、統括という立場で指揮したわけではありません。このThe Beetleのデザインをするにあたり、何人ものデザイナーが各々のアイデアを出し合いました。そしてコンペ形式で厳選していき、最終的に私の案が採用されたというカタチです。

ただ作業工程においてはチーム体制で行いました。何人もいるデザイナーの中で、私もその一員として携わりました。

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AO:The Beetleの最もアピールしたいデザインディテールはどこですか?

L:まず初代から説明します。初代は長いボンネットとAピラーがほぼ垂直に立ち上がっているのが特徴です。

そしてなだらかなルーフの曲線と、独立型のドーム状の前後フェンダーがポイントです。こういう要素があるからこそ、これまでも「Beetle!」と認識されてきたのだと思います。

この次に出たのが先代のNew Beetleです。これは90年代に作られたBeetleなので、ルーフのカーブがとてもシンプルです。前後フェンダーは初代のアイデンティティを引き継ぎ独立型にしており、これをシンプルなルーフラインが繋ぐといったデザインでした。

とくに、今回のThe Beetleは、原点回帰というわけではありませんが、初代から多くのインスピレーションを受けました。まずAピラーとルーフがポイントです。特に特長的なのはルーフの頂点を後部座席の真上に置いたことです。長いボンネット、独立型のフェンダー、それらを繋ぐルーフラインのバランスにはこだわりました。

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なぜ後部座席の真上を高くしたのか、それはThe Beetleは4人もしくは5人乗りなので、後席部分の車高を高くすることで乗員はゆったりと座ることが可能です。

それと同時に、車のスポーティさも大切にしています。その点においては車幅を広くとり、より安定的なスタイリングとパワフルな印象を与えます。

トランクスペースも大きくとり、機能性も追求しました。これはライフスタイルにこだわりを持つユーザーが多く乗るBeetleにとって、とても重要なことです。フォルクスワーゲンは、同社の理念として、実用性を最重要視しているからです。ただし、Beetleの親しみやすい笑ったようなファニーな顔はそのままにしています。

Beetleはこのように多くの方から好まれ、愛され、そして共感を呼ぶ車であり続けていますので、そこを変えるわけにはいかないのです。

AO:たしかにファニーなデザインですが、The Beetleはとてもクーペライクな印象も受けますね。

L:そうですね、ある意味グラフィック的な要素も入れてデザインしましたから、ファッショナブルな観点からも楽しんでいただけると思います。

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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