フォルクスワーゲン ゴルフ TSI トレンドライン BlueMotion 試乗レポート/渡辺陽一郎(2/2)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:オートックワン編集部
注目のアイドリングストップは!?
アイドリングストップのスタート/ストップシステムの働きはどうか。車両が停止した後もブレーキを踏み続けると、アイドリングがストップする。日本車には停止中にハンドルを回すとエンジンが再始動してパワーステアリングを働かせるタイプが多いが、スタート/ストップシステムにこの機能はない。ブレーキの踏力を緩め、エンジンを再始動させてからハンドルを回す。扱いにくく思えるが、基本には忠実だ。
停止状態でハンドルを回す「据え切り」は、昔はステアリングやタイヤに負担を掛ける無理な操作方法とされた。従って私のようなオジサンのドライバーは、わずかでも車両を前後に動かしながらハンドルを回す。このあたりは考え方の違いだろう。
むしろ気になったのは、ATレバーをNレンジに入れてサイドブレーキを引き、ブレーキペダルから足を離すとエンジンが再始動すること。信号待ちなどの時に、右足を休ませにくい。Pレンジに入れるとアイドリングストップを保つが、日本の使い方では、Pレンジに入れたらイグニッションを回してエンジンの作動を根本的に止める。やや馴染みにくい面も残る。それでも多くのユーザーは、信号待ちなどではDレンジに入れたままブレーキを踏んで停止しているだろう。この使い方であれば問題はない。
ブレーキを緩めてから再始動するまでの所要時間は短く、クランキングノイズも耳障りには感じない。試乗チェックでは違和感を抱かずに使えた。
この重厚感は日本車にも欲しい~!
乗り心地は、冒頭で触れたように重厚で快適。タイヤはグッドイヤーのエクセレンス(195/65R15)で、足まわりとの相性も良い。ゴルフは初代モデルからひとまわり大きなクルマを運転している乗り心地を感じさせたが、2012年モデルでは一層の磨きが掛かった。ステアリングの支持剛性も高く、小さな舵角から正確に反応して操舵感も気持ちが良い。
走行安定性も優れ、機敏に曲がるタイプではないが、後輪がしっかりと踏ん張るから常に安心できる。このゴルフの運転感覚を味わうと、5ナンバーサイズの支持者としては、正直辛い気分になる。1790mmの全幅を100mm狭めたら、この乗り味は得られないからだ。逆にいえば、日本で取りまわし性が不利な3ナンバー車を売るなら、ゴルフと同程度の重厚感は欲しいと思う。
試乗を終えて帰ろうとすると、馴染みの広報マンⅠ氏が声を掛けてきた。
「注文書のサインをお待ちしてま~す!」 参ったなぁ~・・・。
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