[試乗]フォルクスワーゲン パサート・パサートヴァリアント「2.0TSI R-Line」 ~ジェントルなパサートが”スポーツ”を手に入れた~(3/4)
- 筆者: 嶋田 智之
- カメラマン:和田清志
ゴルフGTIと同じハイパフォーマンスエンジンを搭載
Rラインは従来からパサートとそのワゴン版であるパサートヴァリアントに設定されていたスポーティな位置づけのグレードだが、この9月から導入された新型のRラインは大幅なパフォーマンスアップを果たしている。何せ「ゴルフ GTI」と同じ220ps/4500-6200rpmと35.7kgm/1500-4400rpmの2.0TSIエンジンが搭載されているのだ。単純な数値を比較するなら、70psと10.2kgmのエクストラを手に入れたことになる。それに加えてアダプティブシャシーコントロールのDCCが標準で備わっている。
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もちろん前後のバンパーやサイドスカートは専用にデザインされたものだし、ホイールは19インチに拡大されてるし、室内でも2トーンのスポーツシートや革巻きのステアリングなどが専用品になったりもしているけれど、そうした内外装に加えられたアレンジよりも、パフォーマンスの違いの方が大きく際立っているといえる。
段違いの力強さはロングドライブの疲労軽減にも有効
加速感は、他のパサートと較べると段違いといえるくらい力強い。停止状態から穏やかにスタートするだけで違いが知れるほどだ。
厚みのあるトルクがスムーズにクルマを前に進ませていき、滑らかな伸びを見せ、途中から自然に立ち上がってきたパワーが力強さに弾みをつけていくような印象。1500回転から4400回転の間に絶え間なく湧き出す最大トルクと4500回転から6200回転の間ずっとキープできる最高出力のリレーションも巧み。
だから、ゆっくり流して走りたいときにはたっぷりとした余裕の中に身を置いているような感触を得られるし、ちょっとばかり熱い気持ちで走りたいときには盛り上がっている気持ちとシンクロする感じのパワーとスピードを提供して楽しませてくれる。
そのエクストラのパワーとトルクは、攻めるような走りとはあまり縁のないドライバーに対しても、ロングドライブのときの疲れを軽減させてくれるという意味で心強い味方になってくれるはずだ。
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