フォルクスワーゲン ゴルフ オールトラック 海外試乗レポート/竹岡圭 ~ゴルフ初のクロスオーバーSUV~(2/2)
- 筆者: 竹岡 圭
- カメラマン:フォルクスワーゲングループジャパン株式会社
特徴のひとつ「オフロードモード」により、オフロード走行に合わせて最適化
今回国際試乗会が行われたのは、スペインのマラガ。
何を隠そう実は私、スペイン本土初上陸のためワクワクしっぱなしだったのだが、それはさておき、まず驚かされたのは、ゴルフオールトラックの乗り心地のよさだった。
最新世代のハルデックスカップリングというシステムが使われたAWDは、車輪が空転し始める前から素早く反応し、またアクセルオフ時やエンジンへの負荷が小さい時はリアアクスルを切り離し、FF状態で走る。
燃費的な影響が少なくなるのはもちろん、AWD化による各部へのフリクション、ゴトゴト感があまり伝わってこないのも嬉しいポイントだ。
横方向はESCを使って制御する。さらに、内輪にブレーキ介入を行い曲がりやすくする機能、XDS+も投入されているため、AWDとなったことによるクルマの動きの不自然さはまるで感じない。それよりもAWD化にあたり、ボディが補強されているので、全体的なしっかり感がさらに向上した感じだ。
走行フィールもチョイスすることができる。ゴルフヴァリアントと同様にコンフォート、ノーマル、エコ、インディビジュアルが用意されている他、オフロードモードがあるのも特徴のひとつだ。
オフロードモードを選択すると、自動的にヒルディセントコントロールが働き、ABSの作動の仕方も、未舗装路の砂利が車輪の前に適度に溜まって制動距離を短くするようなモードになるなど、さまざまなものがオフロードに適したものになる。
急斜面のオフロードコースも難なくこなす本格派
このオフロードモードを体感するために、今回はしっかりオフロードコースも用意されていた。
上り始めると空しか見えなくなるほどの急斜度の坂や、オーバルコースのようにカントのついたコーナー、足が目一杯伸びきっちゃうくらいの凸凹路もあったが、アプローチアングルやデパーチャーアングルも上手く考えられているようで、一度も引っかかることナシ。しかも、ノーマルタイヤで難なく走り切ってくれた。
最近のAWDは本当にレベルが高い。逆にフラットな未舗装路では、ノーマルモードの方が走りやすかったくらいで、ベース車両のポテンシャルの高さを、まざまざと見せつけてくれた。
オンロードでは快適性を重視するならばノーマルモードがオールマイティ性が高い。逆に、エコモードとノーマルモードはあまり体感できるほどの違いは感じられなかった。
ハイスピードで走る場合は、スポーツモードで。やはりロールポイントが高くなる分、これくらい締まった足の方が安定感がある。
日本への導入に期待!
パワートレインとしては、日本に導入されるモデルは、TSI(1.8Lターボエンジン)×6速DSGのみということだが、こちら少々生産が遅れるということで、今回試乗できたのはTDI(2Lディーゼルターボエンジン)×6速DSGだった。
そのため、パワートレインのフィーリングに関しては導入を待ってからの判断となるが、実はコレアウディA3にはクアトロと組み合わされて、すでに搭載されているものと基本は同じである。これが、MQBプラットフォームの醍醐味と言っていいだろう。
そのA3に試乗した時の印象を思い返してみても、パワー的にもフィーリング的にも非常によかったので、ここは期待していて間違いなさそうだ。
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