フォルクスワーゲン 新型 ゴルフトゥーラン「TSI コンフォートライン」 試乗レポート/渡辺陽一郎(3/5)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:小林岳夫
[使い勝手:2列目席]席は3名用それぞれに独立分割される
2列目のシートは、欧州車に多いパターンで3名分に区分されている。2列目に2名で座ると使われない空間が生じるが、チャイルドシートを装着した時などは便利だ。中央にセットしたとすれば、両側に大人が同乗できる。
また2/3列目と助手席は、背もたれを水平になるまで倒してフラットな荷室に変更できる。2列目が3分割されていると、左側は助手席まで畳んで長い荷物を積み、その右側に乗員が座れるので使いやすい。
空間効率を高めるために、2列目も床と座面の間隔が離れている。奥行寸法も十分にあり、日本車に比べると座り心地が硬めだが、ドイツ車の後部座席としては柔軟な部類だ。肩まわりのサポート性も良い。
[使い勝手:3列目席]2列目を少し前へスライドさせれば大人の乗車も可能
2列目にもスライド機能が備わり、後端まで寄せると、身長170cmの大人4名が乗車して、2列目に座る乗員の膝先空間は握りコブシ2つ半程度に達する。頭上にも握りコブシ1つ分の余裕があるから、ゆったりした印象だ。
ただし2列目が後端にスライドされていると、3列目の足元空間をほとんど確保できない。
そこで2列目を前に寄せていくと、膝先空間が握りコブシ1つ分まで詰められた。1列目の下に十分な余裕があり、2列目に座る乗員の足が収まりやすいからだ。この状態であれば、3列目にどうにか座れる。
とはいえ膝先のゆとりはわずかで、3列目は床と座面の間隔が極端に乏しいから膝が大きく持ち上がる。座面には相応の柔軟性があるが、窮屈なのは否めない。
年に数回レベルで3列目シートを利用する使い方にハマる
新型ゴルフトゥーランの3列目を国産のミニバンに当てはめると、居住性はプレマシーあたりと同等だ。狭いものの補助席という印象ではなく、片道45分程度の距離であれば大人7名の乗車も可能だろう。
なので、通常は5名以下の乗車で使い、1年に数回、短距離を多人数で移動する用途であれば合理的な選択になり得る。天井の高いミニバンを買うと、通常の走行で広い車内を持て余すからだ。
2列目にはイージーエントリー機能が備わって便利に使える。座面の前方が下がるように前側へスライドするから、リアドアの間口が広がり、3列目の乗降性がサポートされる。
[VW車らしい走りの良さは受け継がれているか・・・次ページへ続く]
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