フォルクスワーゲン ゴルフ TSI トレンドライン BlueMotion 試乗レポート/渡辺陽一郎(1/2)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:オートックワン編集部
BlueMotionのお手並み拝見!
やっぱりゴルフを選べば良かったかなぁ・・・。
新たに導入されたフォルクスワーゲン ゴルフTSI トレンドライン BlueMotionを発進させて、一瞬、後悔の気持ちが沸き上がった。
冒頭から私事で恐縮だが、今の愛車は2010年式ポロTSIコンフォートライン。「日本の街中には5ナンバー車がベスト」という自分の主張に合わせるべく選んだが、ゴルフに乗ると、タイヤが1回転した程度で乗り心地の違いが明確に分かる。
特に2012年モデルは、カタログやメーカーの発表する報道資料に記載がないものの、乗り心地の重厚感がさらに増した。
搭載される1.2リッターのターボエンジンは私のポロと同じタイプながら、品質は明らかに上だ。
新たに加わったBlueMotionは、アイドリングストップのスタート/ストップシステムを装着。信号待ちや、渋滞時において、燃料の消費量を効果的に節約できる。
ブレーキエネルギー回生システムにも注目。減速時を中心に発電機を働かせ、充電のためのエンジン負荷を低減して燃費の向上を図る。これらの改善により、10・15モード燃費は従来型の17.4km/Lから18.4km/Lに向上。日本車でいえば、1.8リッターエンジンを積んだセダンと同程度だ。
1.2リッターターボの動力性能も1.8リッター並みだが、ゴルフには7速ATのDSGが備わる。実際に運転した時の加速性能は、ゴルフの方が力強い。
これでこの価格は割安だ!
装備も充実。ベーシックなトレンドラインに位置付けられるものの、従来型のプレミアムエディションと同じく、アルミホイールや本革巻きのステアリングホイールなどが備わる。横滑り防止装置、サイド/カーテン/ニーエアバッグなどはもちろん標準装着され、装備の充実度は高い。従って、264万円の車両価格は割安だ。
仮に横滑り防止装置やアルミホイールといった装備を省いたスッピンの仕様が用意されたとすれば、価格は230万円前後だろう。1.8リッターエンジンを積んだ国産のベーシックセダンが200万円くらいだから、実質的に30万円を加えれば、7速DSGを含めてゴルフの上質な運転感覚と内装を手に入れられる。「輸入車としては」という但し書きを付けなくても、買い得なクルマに仕上げた。
ならば「実質的に30万円を加えて得られる上質な運転感覚」とは何か。試乗チェックを通じて考えてみたい。 まずは動力性能だが、ベーシックな1.2リッターのターボエンジンとあって、パワフルな印象は受けない。ボディを入念に造り込んだこともあり、車両重量は1270kgと意外に重く、加速性能は平均的だ。
ただし、17.8kg-mの最大トルクを1500~4100回転という幅広い領域で発生させ、ATはギヤ比の割り方が細かい7速のDSG。運転中にアクセルを踏み込めば常に十分な駆動力が発揮され、エンジンパワーも有効活用できるから、扱いやすく感じる。 7速DSGはマニュアルトランスミッションと同様、ATでありながら流体で駆動力を伝えるトルクコンバーターを用いない。ドライバーのアクセル操作が直接的に駆動力を増減させ、運転している実感が沸きやすい。
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