フォルクスワーゲン ゴルフGTI 試乗レポート(1/3)
- 筆者: オートックワン 編集部
- カメラマン:オートックワン編集部
新型ゴルフGTIはホットハッチにあらず!?
最近、ネットなどで個人的に気になった話題があった。それは「新型ゴルフGTIはクラッチを操作するという楽しみがなくなりホットハッチではない」という意見だ。
当然のように「ホットハッチのルーツであるゴルフGTIが『ホットハッチではない』とは、けしからん」とか「この御時世にGTIがでることが重要なんだ」という様々な意見が上がるのだが、これらは恐らくホットハッチの定義がファジーなことに起因するのではないだろうか。
ホットハッチの定義とは、何なのか?
ホットハッチとは、スポーツカーに負けない実力とセダンの実用性をあわせ持つハッチバック車のことを主に指す時に使われる事が多いのだが、「スポーツカーの実力」を「スピード」という意味で捕らえると、ホットハッチと呼ばれるいずれの車種も、ニュルブルクリンクのタイムが日産のGT-Rより速かったなんて話は聞いたことがない。
そこで、「スポーツカーの実力」を「運転する楽しさ」という意味にすると、ホットハッチの定義が明確になってくる。例えば、マーチ12SRは、ニュルブルクリンクを走らせたら、間違いなくGT-Rより遅い。
しかし、価格は1/4でありながらもオーテックの職人と呼ばれる中島氏が徹底的に煮詰めたマーチ12SRの操縦性は、クラッチを踏みマニュアルのシフトレバーを叩き込む何気ない動作ですら楽しく、スポーツカー並みのドライバビリティを享受することができる。
しかも、実用性はベーシックカーとして使い勝手に定評があるマーチそのもの。
マーチ12SRをホットハッチとすることに異論を唱える人はたぶんいないだろう。だから、素早い変速を可能にするDSGとはいえ、クラッチ操作、シフトを叩き込む動作といった、ギアチェンジの楽しみが無くなってしまった新型ゴルフGTIがホットハッチではないという話は、意外にもカタログを眺める段階では、かなりロジカルな意見だったりする。
そこで、新型ゴルフGTIに試乗し、そのあたりを検証してみることにした。はたして、クラッチペダルやHパターンのシフトがないことによって、ドライバビリティは削がれているのだろうか?
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