フォルクスワーゲン ゴルフ 新車発表会速報
- 筆者:
- カメラマン:吉澤憲治(編集部)
6代目新型ゴルフ誕生
フォルクスワーゲン(以下VW)は9日、誕生35周年を迎えた新型ゴルフを発表した。 新型ゴルフは今回のモデルで6代目。
1974年に名車ビートルの後継モデルとして誕生して以来、35年間で世界累計延べ2,600万台を販売。結果としてVWで最も多い販売台数記録を持つクルマとなったことは言うまでもない。
その6台目新型ゴルフは“TSIコンフォートライン”【シングルチャージャー:122ps/200Nm】と“TSIハイライン”【ツインチャージャー:160ps/240Nm】の2タイプを用意。どちらも1.4Lのエンジンに、乾式クラッチタイプの7速DSGトランスミッションを搭載する。
このエンジンとトランスミッションの組合わせにより、コンフォートラインがVW過去最高記録のリッター16.8㎞/Lを、続いてハイラインが16.2㎞/Lを達成するなど、5代目を16%も上回る低燃費を実現した。
安全面では、ニーエアバックを新採用したことにより“9エアバック”となり、これを全車標準装備とした。これにより新ユーロNCAPで最高の5つ星を獲得するなど、新型ゴルフの確かな安全性能への評価が寄せられている。
発表会場にはドイツVW本社から車両開発部門専務のDr ハラルド・ルダネック氏も来場し、新型ゴルフの開発工程などのプレゼンテーションを行った。
ルダネック氏は“五感で良さを感じられるクルマ作り”をコンセプトに開発を行ったとはなし「新型ゴルフのデザイン責任者であるウォルター・デ・シルバと、車両設計者達の間で度重なる意見の食い違いの調整には苦労した」と、エピソードも交えたトークを披露してくれた。
新型ゴルフのデザインコンセプトは、初代のデザインコンセプトである“トルネードライン”と呼ばれる、サイドのキャラターモチーフの復活である。このエッジラインを加えることにより車体そのものに精密さを出すことができるのだという。
ちょっとしたドアのズレが生じるだけで一瞬にして台無しになってしまう繊細なラインだけに、開発者たちの拘りもひとしおと言った様子だ。実際VWのDr マルティン・ヴィンターコルン会長も毎週デザインセンターを訪れ、デザイナーと綿密な意見交換を行ったほどだという。
最高のデザインからなる最高の技術、そして最高の品質を、多くの人達へ手頃な価格で提供したいというVWの拘りのメッセージが、このクルマには込められている。
VWは日本を最重要のマーケットとして位置付けており、その証拠に世界18ヶ国に点在するVW AG直轄の研究開発部門が、ここ日本にも設置されている。特に新型ゴルフの開発は日本を重要視して作られたということもあり、年に数回ドイツ本社から重役が来日し、その都度出来上がった試作車でテストドライブをしたほどだという。
つまり新型ゴルフは日本の皆様へ向けて、日本の道路事情等も念入りに研究開発を行ったと、VWジャパンのジェリー・ドリザス社長は言う。
いまやこのクラスのクルマを“ゴルフクラス”と呼ばれるまでなった、世界的スタンダードカー“フォルクスワーゲン ゴルフ”。年末には2.0Lエンジンを搭載したゴルフGTIも日本導入予定だということで、こちらも楽しみだ。
新たなゴルフの歴史が、またはじまる。
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