ホンダ オデッセイハイブリッド vs トヨタ ヴェルファイアハイブリッド どっちが買い！？徹底比較(2/5)

1／2／3列目シートの居住性比較

＜1列目シート＞

1列目シートの座り心地は互角。両車ともシートのサイズを十分に確保して、肩まわりのサポート性も良い。

座った時に体が適度に沈み、座り心地にもボリューム感を持たせた。ただしヴェルファイアハイブリッドでは、本革シートの肌触りが洗練されている。

＜2列目シート＞

2列目シートは売れ筋になる7人乗りのセパレートシートで比べたい。

オデッセイハイブリッドの2列目には、プレミアムクレードルシートが装着される。クレードルとは「ゆりかご」の意味で、乗員の体を包み込む形状とした。

背もたれを後方に倒すと、座面の前方が連動して持ち上がり、体がシートから離れにくい。背もたれの上側には前方に折れ曲がる機能があり、寝かせた状態でも前方が見やすい。座面の下側からは、膝から先を支えるオットマンも持ち上がる。座り心地は柔らかく、確かに「ゆりかご」を連想させる。

ただし背もたれを立てた状態でも座面の前側がかなり持ち上がり、小柄な同乗者が座ると大腿部が圧迫された感覚になりやすい。長身でも違和感を抱くことがある。その意味で8人乗りのベンチタイプは、オットマンも付かず機能は平凡だが、座り心地は馴染みやすい。

ヴェルファイアハイブリッドの2列目は、7人乗りのセパレートシートにも3種類を用意した。

ベーシックなリラックスキャプテンシート、両側に固定式アームレストを備えたエグゼクティブパワーシート、さらにベンチレーション機能や格納式テーブルを装着したエグゼクティブラウンジシートだ。

エグゼクティブパワーシートとエグゼクティブラウンジシートの見栄えは豪華だが、シートのサイズや座り心地は、リラックスキャプテンシートと大差ない。座面の前方が大きめに持ち上がり、オデッセイハイブリッドと同様、少し圧迫感が伴う。見栄えで選ぶならヴェルファイアハイブリッドだが、座り心地は同等か、オデッセイハイブリッドが少し勝る。

なお、セパレートシートで座面の前方が持ち上がるのは、オットマンを備えるためだ。

オットマンの本来の使い方は、少し持ち上げてふくらはぎを支えるもの。踵は床に着けておくべきだが、いずれの車種も大きく跳ね上がり、背もたれをいっぱいに倒せば寝そべった姿勢が取れる。この状態で衝突事故を起こせば、シートベルトが正常に機能しないが、腰が落ち込むと着座姿勢が多少は安定する。そこで座面の前側を持ち上げた。

いい換えれば、オットマンがシート本来の機能を損なっている。この欠点を避けたいなら、8人乗りのベンチシートを選ぶと良いが、ヴェルファイアハイブリッドではベーシックなXのみになってしまう。

＜3列目シート＞

3列目シートはオデッセイハイブリッドが快適。床と座面の間隔を十分に確保して、座り心地は柔軟だ。

やや腰が沈み過ぎる印象はあるが、ミニバンの3列目としては最も快適に仕上げた。頭上と足元の空間も不足していない。

ヴェルファイアハイブリッドは、頭上と足元はオデッセイハイブリッドよりも広いが、床と座面の間隔が不足する。

座り心地も若干の底突き感が伴う。1／2列目の居住性はあまり差が付かないが、3列目には違いが生じた。

勝者：オデッセイハイブリッド

荷室／シートアレンジ比較

両車ともに背の高いLサイズのミニバンだから荷室が広い。それでも3列目を格納して大きな荷物を積む時は、天井の高いヴェルファイアハイブリッドが便利だ。

ただしヴェルファイアハイブリッドは左右に跳ね上げて格納する。オデッセイハイブリッドは床下格納式だから、張り出しのないスッキリした荷室が得られる特徴がある。

勝者：ヴェルファイアハイブリッド