日本版コンシューマレポート-トヨタ ノア・ヴォクシー ユーザー試乗レビュー-(4/6)
- 筆者: 桃田 健史
ノア・ヴォクシーのユーザー評価・レビュー/ドライビング
以上のように、「ミニバンとしては無難」な結果となった。
このクラスのミニバン、最重要課題は「車内の広さ感」だ。その指標となる「実物より大きなクルマに乗っている感じがした」は平均で40%だが、年代により大きな差がある。
「視界が良く、運転が楽だった」は平均60%だが、これもミニバンとしては最低条件だ。その他の設問では、各年代で結構な散らばりがある。
また「試乗前後でのイメージ変化」で、「変わった」が30%。試乗後にイメージが変わった「理由」は、以下の9回答だ。
試乗前後でイメージが「変わった」と感じた理由は?
・思ったよりもとても広くて運転もしやすい (ヤマシタさん 愛知県)
・運転しやすくトータル的にとても無難な感じ (yappさん 神奈川県)
・後席の足下の意外にも広いのに驚きました (みーみのさん 熊本県)
・長く乗るつもりなので、やや年配になっても安心なノア (とんさん 千葉県)
・座席シ-トが狭いし硬いと感じました (イシヅカさん 新潟県)
・思ったほどロールも大きくなく悪くないと思った。ただ、センターメーターはなじめなかった (ヒサナガさん 福岡県)
・以外に取り回しがしやすくて、乗りやすいのがわかった。広さ、大きさは一般的なファミリーには最適の車ですね (yuichii2002さん 大阪府)
・思ったより、周辺の確認がしやすかった、背の高い車は見づらいと思ったけどこの車なら大丈夫 (ユッピーさん 北海道)
・室内音、出足など少々荒いのでは無いかと思われたが、60系と比べて1/3程度静かになっている様に思える。CVTの関係でもたつくイメージがあったが、さほど気にならなかった (sarusaruさん 栃木県)
ミニバンに「走りの追求」は必要か?
今回、トヨタ関係者と「ミニバンに走りの追求は必要か?」という話題で意見交換した。
「走りを売り」にする「G’s」試乗会の場であり、少々ご迷惑だったかもしれない。だが正直なところ、彼らのなかにもミニバンの走りの追求について「迷い」があるようで、筆者の「実話」に興味を示してくれた。
その実話とは、この日本版コンシューマレポートの「生データ」だ。
すでに、本連載で「ステップワゴン」は掲載済み。「セレナ」についても、データ整理も広報車両試乗も完了している。そうしたユーザーからの「生データ」と筆者の走行感に、「大きなズレ」がある。
ハッキリ言ってしまうと、「メーカーが考えるほど、ユーザーはミニバンの走り味が理解出来ていない」と思う。
言い換えれば「ミニバンに走りを求めていない」、または「現状の乗り味やハンドリングで十分満足」。実際に、そう思われるようなコメントが多い。特に、ディーラー近隣における短時間の試乗では、微妙な「走りの良さ」を体感するのは至難のワザだ。
今回、「ミニバンとして、メーカー直轄下で走りを徹底チューニングした」というG’sに乗ることで、逆に「ノア・ヴォク」本来の走り味が理解出来た、と思う。
ノア・ヴォクが目指したのは、「ほど良い乗り味」。また、世界市場で見ても、このクラスのミニバンは「日本特有」の部類に入る。
つまり、日本の道、日本人の好みにあった「ほど良さ」を徹底できるのだ。
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