トヨタ ヴィッツ 1.0F 試乗レポート

  • 筆者: 竹岡 圭
  • カメラマン:原田淳
トヨタ ヴィッツ 1.0F 試乗レポート
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特筆だと思ったのは、Aプラー付近の視界のよさ

新生ヴィッツの中でも、いちばん小さな排気量となるのが、1Lモデル。組み合わされるのはCVTのみ。つまり4WDの設定はない。グレードは2つ用意されていて、ベーシックなBグレードと、今回ご紹介するFグレードからなる。さらに、インテリジェントパッケージという、アイドリングストップ機構付きのモデルが、それぞれに用意されるので、全4ラインアップが揃うというわけだ。

ちなみにこのエンジンヴィッツとしては新開発で、そこに進化したスーパーCVT-iが組み合わされる。またそのパワーの受け止め側にも、新開発サスペンション、13インチから14インチにグレードアップされたブレーキ&タイヤなど、十分な進化が伺えるのだ。そして、燃費がさらによくなったのも、嬉しいお知らせ。エンジンの20%軽量化を始め、CVTの進化で、加速性能やフィーリングを殺さずに、好燃費を実現しているのは、さすがといったところである。

ずいぶんお兄さんぽくなったなぁ、というのが、新生ヴィッツの第一印象。サイズがひと回り大きくなっただけでなく、全体的にエッジが立ったようなデザインとなり、カワイイというよりは、シャープでスポーティな雰囲気が強い。先代ヴィッツはトヨタ全体のエントリーカーということもあり、親しみやすさが全面に表れていたけれど、新型ヴィッツはコンパクトカーと呼ばれるカテゴリーの中でも、ひとクラス上になったよう。ヴィヴィッドなボディカラーからも、媚びないカワイサが伝わってくる。

インテリアは、特段目新しいモノはないのだが、先代ヴィッツで要望の高かったものを、きちんと正常進化させたような感じ。かなりプラスチッキーだった質感も、ずいぶんと向上している。新型での新装備で、いちばん便利だと思ったのは、ステアリング前のボックスと、センタークラスター下のトレイ。とりあえず荷物を放り込むには、かなり使い勝手がイイ。

これって、ホントにベースはパッソと同じエンジンなんですよね…?! と、メーカーの人に改めて確認してしまったほど、1Lモデルは元気がイイ。CVTとのマッチングも、追い越し加速などでは、もう少し積極的にトルクバンド領域に持っていってくれると助かるが、街中走行では普通に扱いやすいと言える。

3気筒エンジンのせいか、少々振動は伝わってくるし、音もアクセルを踏み込むとさすがに賑やかだが、一度一定速度まで持っていってしえば、実に穏やかなもの。100km/h巡航時の静粛性もなかなかに高い。

乗り心地は、高速巡航などでは、先代に比べるとだいぶ締まった感じを受けるが、そのぶんコーナリングでのリアの踏ん張り感は向上した感じだ。鼻先もスッと入るので、先代のとにかくニュートラルなハンドリングにプラスして、もう少し積極的にドライビングを楽しめるような味付けになっている。 そのせいか、ワインディングでは、アクセルのストロークが少々長く、ブレーキのストロークが少々短いのが気になってしまった。

ヴィッツで特筆モノだと思ったのは、Aピラー付近の視界のよさ。室内から見ると特に感じるのだが、この形状はなかなかスゴイ。Aピラーがかなり寝かされ、かつ前方に出されているせいで、私のドライビングポジションからだと、左右の視界がすこぶるいいのだ。右左折時はもちろんのこと、コーナリング時も体を傾ける必要などがないので、ラクな気持ちでドライビングできる。

逆にひとつ残念だったのは、後席のシートアレンジ。1Lは背もたれが一体式で前方に倒せるのだが、倒すときは片手でラクチンなんだけれど、問題なのは引き起こすとき。ついついノブの部分を手に持って引き起こすと、90度の角度になったところで、指がバッチンと挟まれてしまう。引き起こすときも、ラゲッジルーム側からだと、背伸びして手がギリギリ届くといった感じなので、ここはちょっとひと工夫欲しいところだ。

さて、オススメグレードだが、後席のシートアレンジ性能を求めるのならば、1.3L以上のモデルを。そこは気にならないのならば、1LのFで十分に楽しめると思う。

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竹岡 圭
筆者竹岡 圭

OLを経て、自動車専門誌を皮切りに、モータージャーナリスト活動を開始。国内外のレース、ラリーなど自らモータースポーツ活動に関わりながら、海外のモーターショーを精力的に回るなど、なにごとにも積極的に取り組んできた結果、近年は一般誌、女性誌、Web媒体、新聞、TV、ラジオなど、その活動はとても多彩なジャンルに広がっている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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