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試乗レポート 2005/2/22 20:34

トヨタ ヴィッツ 1.5RS 試乗レポート

関連: トヨタ ヴィッツ Text: 河村 康彦 Photo: 原田淳
トヨタ ヴィッツ 1.5RS 試乗レポート

「ポテンシャルをフルに引き出す快感」を手軽に堪能できる楽しさ

新型ヴィッツは大きく変わった。そこには、1999年の初代モデル誕生後初めてのフル・モデルチェンジを受けて「文字通りその内容が一新された」という事柄と共に、『パッソ』という新たな末っ子モデルが自らの下にラインナップされたのを受け、「ボディサイズが大きくなった」という2つの意が含まれていると受け取って貰って良い。

そんな「大きく変わった」新型ヴィッツには、今回も『RS』グレードが設定されている。トヨタが敢えてそう述べているわけではないが、そんなグレード名を見せられれば多くの人は“Racing Sports”、あるいはそれに準じたホットな走りの記号性をイメージするに違いない。実際、新型RSグレードは、ベース車両よりも押し出し感の強いデザインのフロントマスクやサイド・マッドガード、ルーフスポイラーなどを標準採用。また、シリーズで唯一のスポーツ・サスペンションや16インチのシューズも採用し、さらにはシリーズで唯一のMT仕様をラインナップに加えるなどして“ホッテスト・バージョン”としての位置付けを明確にアピールする事になっている。

前述のように一部に専用のエクステリア・デザインパーツを採用する事で、確かに『RS』グレードは通常のヴィッツよりもさらに若々しく、そしてダイナミックな雰囲気に溢れて見える。大型化されたロワーグリルとフォグライトが他グレードとの差別化をアピールするフロントマスクは明らかにより低重心な雰囲気を醸し出しているし、このクラスのモデルとしては贅沢な16インチ・サイズのシューズは、サイド・マッドガードと相まっていかにも“走りのモデル”らしい足元の逞しさを演出する。

そんな外観を受けてインテリア側のドレスアップも怠りない。オレンジ色の自発光式メーターは強い太陽光が差し込むと視認性に難アリなのがちょっと残念。が、バケット調デザインのシートやピアノ・ブラック色のセンターパネル、革巻きステアリング・ホイールやMT仕様車のメッキ/革巻きシフトノブなどが、やはり独自のスポーティ感を表現する。

『RS』に積まれる心臓部は1.5リッターの4バルブDOHCユニット。絶対的には「強力」とは言いかねる出力ではあるが、それでも車両重量が1トンそこそこなのでそれなりに軽快な動力性能が期待出来るというもの。事実、走り始めればその加速感にはどのようなシーンでもまず不満を抱く事などない。

AT(CVTT)仕様でも加速力自体は満足レベルと思えるが、その機構上エンジン回転数と車速はきれいにシンクロはしないので、フィーリング的には「MT仕様の方がオススメ」というのが個人的感想だ。こちらであれば、エンジンの発する出力を右足でダイレクトにコントロール出来る愉しみが増すと同時に、スムーズでシンクロも強力なシフトフィール自体も売り物になる。ただし、欲を言うのであればもはやVWルポGTIのように“6速MT”を望みたいところ。そうなれば、「限られたパワーをフルに引き出す醍醐味」がいよいよ高まると思うのだけれど…。

フットワークはどんなシーンでもスタビリティが高く、従来型よりもグンと安心感が増した印象。EPS(電動パワーステ)は従来型ヴィッツのよりも遥かに完成度が高く、もはや「違和感がない」どころかキックバックの少なさなどでは油圧式を凌ぐ感さえ受ける。

コンパクトなハッチバック・モデルというと、日本ではどうしても「女性や若者向けのクルマ」というイメージが強いもの。が、実はそうした先入観(!?)が定着しているのはむしろ「日本だけ」と受け取る方が正解だ。日本では大人気のメルセデス・ベンツやBMWの故郷であるヨーロッパ地域でも、実は売れ行き面ではVWやフォード、オペルのコンパクトなハッチバック・モデルが圧倒的というのが現実。ヴィッツはそんな市場に『ヤリス』と名を替えて殴り込みをかける。この『RS』同様1・5リッター・エンジンを搭載するヤリスというのは、そんなシリーズの走りのイメージとしての活躍が期待されるモデルだ。

“走り”への要求が厳しい彼の地でも、「1.5リッターのヤリス」はきっと多くの人々を満足させるポテンシャルを発揮してくれるはず。何となればMT仕様の『RS』はテストコース上で180km/hを超える最高速を軽々とマークしてくれた。これだけの速さを備えていれば、速度無制限の独アウトバーンでも堂々と追い越し車線に出て行けるだろう。

正直なところ個人的には、『RS』を名乗るならばもう少し個性的な走りのテイストを演じて貰いたかったとも思う。徹底した安定感の演出など確かに“万人”に向けての配慮は感じられるが、それが「このクルマならでは」と思える走り味のオリジナリティを消す方向にあるのはちょっと惜しいと思う。

が、それでも“山椒は小粒でもピリリと辛い”というのが『RS』の売りもの。“オーバー300psカー”などでは味わう事の難しい「ポテンシャルをフルに引き出す快感」を手軽に堪能出来るのが、こうしたクルマならではの楽しさと言える。

筆者: 河村 康彦

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