トヨタ FJクルーザー デザイナーインタビュー/トヨタデザイン本部 主幹 小川 洋(2/5)

  • 筆者:
  • カメラマン:茂呂幸正/トヨタ自動車株式会社
トヨタ FJクルーザー デザイナーインタビュー/トヨタデザイン本部 主幹 小川 洋
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復刻版を出したという意識はまったくない

トヨタ FJクルーザー デザイナーインタビュー 小川 洋 氏

AO:2003年頃の北米市場というと、ハマーH2などの巨大なフルサイズSUVが全盛期を迎えていたと思いますが、当時の北米市場向けとしてはかなり小さいクルマですね。フルサイズ化は検討されなかったのでしょうか?

O:ベース車として使うシャシーの制約や、法規上の規定があってこのサイズに決まりました。ただデザインが面白いというだけではなく、ベース車となったランドクルーザープラドが持つ本格的な悪路走破性能をそのまま受け継がせたかったので、性能面では若干コンパクトにするぐらいが好ましかったのです。フルサイズ全盛の北米市場ではかなり小さい方でしたが、それが幸いして女性ユーザーから好評を博しました。スタイリングも含めて「キュート」という言葉で、多くのユーザーからのご支持をいただきましたね。

AO:なるほど。コンパクトだったのが逆に良かったのですね。フロントフェイスのイメージにランクル40の雰囲気を再現させた理由はなんですか?

O:アメリカでもランクル40は大変な人気モデルであり、先駆的なクルマとのイメージが浸透していました。存在も大きく、ネームも通っているクルマです。このイメージを踏襲してみたのです。

しかし、引用はするけれど、単なる焼き直しでは決してなく、ノスタルジックなレトロ調を意識して作ったわけでもありません。作り手としては、まったく新しいプロジェクトをやっているという感覚で取り組みました。現在の価値観でSUVを見直す、というのがスタートでしたね。

AO:フロントフェイス以外にも、ランクル40の雰囲気を踏襲した部分はありますか?

O:デザインキューとなるべき部分は、ヘッドランプ回りと往年のトヨタのネームエンブレムを付けたグリル、角度が立ったウインド、正面からタイヤが見えるバンパー、リアウインドの回り込み具合、外板のイメージを取り入れた内装のパネルなどですね。

フォード マスタング

AO:北米市場では、ちょうどFJクルーザーが出た後からフォード・マスタングやダッジ・チャージャーなど、昔のモデルの復刻デザインが相次いで登場し、FJクルーザーは、その流行の先駆けだったというイメージもあります。

O:結果としてそうなったかも知れませんが、我々の中には復刻版を出したという意識はまったくありません。新しいクルマを創って行くと考えていました。

AO:たしかに、ドアの開き方やリアのテールレンズ回りのデザインは、SUVとしてはありえない斬新なものですね。これらの画期的なデザインの源泉となったものは何ですか?

O:現代のカーデザインは、クルマの前からの流れを重要視します。それをFJで考えたときに、流れの中で形を作って行くというのを考えました。リアビューのウインドのまわりこみは、かつてのランクル40を踏襲しているところもありますが、基本的にはモーションといいますか、流れるような動きを取り入れた造詣を意識したのです。

それと、SUVながら2ドアクーペの雰囲気を与えており、ホイールバランスに対してのドアのあり方とか、4枚ドアのSUVにはないバランス、上下の比率についても普通のSUVにはまったくなかった新しい比率をもってると思います。

AO:作り手として、頭の中で思い描いたように上手く表現できた部分を挙げると、やはり象徴的な部分はフロントフェイスになりますか?

O:そうですね。最近のトヨタ車に限らず、ヘッドランプをワイドにして、ボディの外へ外へと移動させながら、ランプ自体もすごく大きいものを採用するのが今の主流なのですが、FJクルーザーではそれとはまったく違うことが表現できました。

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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