近いけど名古屋の企業じゃないです!売上高27兆6000億円のトヨタを意外と知らない日本人(1/2)
- 筆者: 桃田 健史
- カメラマン:桃田健史
トヨタは徳川?
トヨタ自動車とマツダの資本提携が8月4日に発表され、テレビ、ネット、新聞、そして自動車媒体では「ついに、トヨタが日本メーカー統一の野望に向けて本格的に動き出したのか?」と浮足立った。
トヨタ自動車の2017年3月期の売り上げは、日本企業最大である27兆6000億円。
すでに天下を取ったようなものだが、これからの自動車産業は人工知能による自動運転やクラウドビジネスなどでアップル、グーグル、アマゾンなどのIT巨人が進行する中、トヨタとしては新たなる戦法に向けた準備に入ったといえる。
そんな、日本人なら誰でも知っているトヨタ自動車なのだが、「トヨタって、どこにある会社ですか?」と聞いて、ちゃんと答えられる人は全国的にかなり少ない。
多くの人が「名古屋の会社」と答えるだろうし、トヨタ自動車本社が名古屋にあると思っているはずだ。
しかし、現実は違う。正解は尾張・名古屋ではなく、トヨタ自動車本社は徳川の御膝元・三河にある。
本当にある、トヨタウン
トヨタ自動車の本社住所は、愛知県豊田市トヨタ町1番地。そう、豊田市のトヨタ町!まさにTVCMでやっていたように”トヨタウン”は実在するのである。
では、豊田市はどこにあるのか? ググって頂ければお分かりの通り、豊田市は名古屋市の”ほどほど近く”にあるが、長久手市、日進市、豊明市などを挟んで、名古屋市から東へ40キロメートルほど離れた位置にある。
豊田市の中心部から名古屋中心部まで、クルマでは東名高速と名古屋高速2号線を使って約1時間。電車では、名古屋鉄道豊田線の豊田市駅から赤池駅経由で名古屋市営地下鉄、または名古屋鉄道三河線で知立(ちりゅう)駅経由で名古屋鉄道本線に乗り換えて、どちらのルートでも1時間近くかかる。
豊田市駅近くの大通り、国道248線を南へ3キロメートル行くと小高い丘を登る。進行方向右側には1938年創業のトヨタ自動車本社工場、左手にはテクニカルセンターが見える。
そして、丘の頂上の交差点がトヨタ町(とよたちょう)。そのはす向かいにトヨタ自動車本社がある。
この小高い丘にあるトヨタ自動車本社は、まさにトヨタの城である。そこから周囲を見渡すと田畑や山々が広がる、のどかでのんびりとした風景。けっして、工業地帯というような雰囲気ではない。
トヨタ町の周辺には、クラウンやレクサスLCを製造する元町工場、プリウス等を製造する堤工場の他、豊田市内や周辺の市に最終組立、エンジン、部品などの工場が点在している。
その他、関連企業であるトヨタ車体、デンソー、アイシン精機、アイシンAWなどが、刈谷市、知立市、安城市などに本社施設や工場を持っている。
その他にも、ティア1、ティア2、ティア3、さらにはティア4と一般的に呼ばれる自動車部品のサプライチェーンを構成する様々な三河企業がある。こうした、三河のチカラの集大成が、トヨタ自動車の本質なのだ。
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