トヨタC-HRとマツダ新型CX-5登場で市場が激化、国産SUVバトル勃発!(1/2)
- 筆者: 桃田 健史
SUV市場がヒートアップ、どうして今、日本でSUVブームなのか?
師走になり、国内市場に注目の2台がデビューする。それは、マツダの新型CX-5と、トヨタがCH-Rだ。
このコンパクトSUV分野では過去2年間、ホンダ ヴェゼルが王者で、マツダ CX-3が根強い人気を誇ってきたが、そこに第二世代のマツダ新型CX-5と、事実上の“ヴェゼル潰し”であるトヨタ CH-Rが参戦。となれば、否が応でも市場がヒートアップする。
では、どうしていま、日本国内にSUVブーム到来なのか?
90年代にアメリカで生まれた文化
まずは、SUVとは何か?をおさらいしてみよう。
スポーティ・ユティリティ・ヴィークルの略称で、発祥はアメリカだ。火付け役となったのは、90年代始めのフォード エクスプローラーとジープ チェロキーだ。80年代までにも、ピックアップトラックの車体を使い、商用を主な目的とするクルマは存在した。また、日本でも80年代、三菱 パジェロなどアウトドアを楽しむRV(レクリエーショナル・ヴィークル)が人気を博していた。
そうしたなか、SUVはオフロードより街中での利活用に主眼を置いた商品として、男性エグゼクティブのファッショナブルアイテムとして愛用された。その結果、アメリカでのミッドサイズSUVであるエクスプローラーや、チェロキーに対して、クルマとしてのグレードが高いフルサイズSUVへとSUV人気が転移した。シボレー タホ、同サバーバン、GMC ユーコン、キャデラック エスカレード、そしてリンカーン ナビゲーターが、90年代のアメリカの若者にとって憧れのクルマになった。
こうしたトレンドをキャッチするため、日系メーカーもアメリカで2000年代から2010年代にかけて、トヨタがハイランダー、4ランナーからセコイヤへ、日産がパスファインダーからムラーノやアルマーダへ、そしてホンダがパイロットやアキュラMDXへとSUVの高級化路線を拡張してきた。
以上のような“SUVは、大きいことはいいことだ”という風潮のなかで、アメリカでコンパクトSUVと呼ばれる、トヨタ RAV4、ホンダ CR-Vは、カローラやシビックと同格の“セダンの代わりに使えるオールマイティな車”として庶民の間で定着している。日本でこの分野はミニバンが主体となっている。だが、アメリカでは“ミニバンはお母さんが子どもを迎えにいくクルマ(通称サッカーママ用のクルマ)で、男性が乗るのはダサい”というイメージが定着しており、ミニバンのモデルラインアップが増えない。
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