世界中でトヨタ新型「C-HR」の評判がウナギ上り!日本のライバル対抗策も満載(2/3)
- 筆者: 桃田 健史
- カメラマン:トヨタ自動車
新型C-HR「1.2リッターターボ/1.8ハイブリッド」とライバル対抗策が満載
「C-HR」に対して、日本ユーザーの実質的な人気が高まることは、トヨタにとっても、そして自動車メディアにとっても容易に予測できた。なぜなら、こうした日本版の都会派クロスオーバーのセグメントは、マツダ「CX-3」とホンダ「ヴェゼル」が切り開いてきたが、これら2車への「直接的な対抗策」と「さらなる優位性」を目指して、トヨタが満を持して「C-HR」を投入するのだから。
ここでいう「直接的な対抗策」とは、エンジン仕様だ。まず、1.2リッターのNAターボによって、低燃費&トルクフルによってマツダSKYACTIVD 1.5リッターを意識し、そして、プリウス譲りの1.8リッターハイブリッドで「ヴェゼル」に対抗する。
だが、こうした日本市場での対決図式だけが、「C-HR」の存在意義ではない。世界市場に目を移すと、トヨタの関心事はまず、欧州にある。それを証明するかのように「C-HR」の3ドアコンセプトモデルが世界初披露されたのが、2014年の仏パリショー。次いで、2015年の独フランクフルトショーでは5ドアのコンセプトモデルが登場した。
クロスオーバーの商品価値は「見た目100%」
筆者はそれらの現場で、トヨタの関係各位と意見交換した。トヨタは欧州市場で2000年中頃から、若い世代の顧客層増を含めた、新しい商品企画・マーケティング戦略を続けている。
仏PSA(プジョー・シトロエン)とチェコで協業する「アイゴ」をエントリーモデルとして、「ヤリス」(ヴィッツ)や「オーリス」を中核に、「RAV4」や「プリウス」の認知の底上げと、販売強化を進めてきた。そうしたなか、欧州市場でもトレンドとなっている、コンパクトサイズのクロスオーバー投入は、欧州メーカー各社や日産の売れ筋SUV「キャッシュカイ」などとの競争を考えれば当然の選択だった。
その欧州市場に対して、北米のデザインスタジオ「キャルティ」による、アメリカンテイストがどこまで通用するのか?クロスオーバーの商品価値は「見た目100%」と言われることも多いだけに、欧州での実売数に今後、注目していきたい。
また、欧州ではいま、ドイツ国内でのガソリン車の販売規制強化の動きや、パリ協定の発効決定の影響でハイブリッド車の販売を後押しする風が少しずつ吹き始めていることも付け加えておきたい。
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