市販されない幻のトヨタ86オープンモデル「86コンバーチブル」でレース参戦!(2/3)
- 筆者:
- カメラマン:茂呂幸正 Text:ダブルクラッチ
富士スピードウェイの本コースで120分1本勝負!
12時30分から120分間で戦うレースに先駆けてのドライバーブリーフィングは綿密でした。今回タイムだけを競う競技とも異なり、むしろ規定時間を切るような速度で走ると失格になるというルールも設けられていたりするので、このレース自体の説明に加え、サーキットマナーに関する説明など、その内容は多岐にわたりました。
ブリーフィングに続いては車検、そしてコースへクルマの移動を開始。そのあとで、エントラント全員での記念撮影が行われました。そこから、最初のドライバーを見送りに30番グリッドに停められた黄色と黒の86に戻るまでの間、他チームからの記念撮影要請にこたえるCACのメンバーたち。
こうした他チームとの交流などもあり、なんとものどかなレースですが、世界最高峰のモータースポーツでドラマが繰り広げられるコースで行われるというのも、このレースのいいところではないでしょうか。
また、この競技の性質上、必ずしも他チームがライバルというばかりでもなく、しいて言うと「真のライバルは自分」という側面もあるのかもしれません。そういう意味では一見和やかなそんな光景こそ、このレースの厳しさを象徴している。ということもできるのかもしれません。
さて、ハンドルを握る順番ですが、最初はブルーこと、ラリードライバーとしても経験のある羽琉(うりゅう)さんのドライブでスタート。続いてブラックこと山口悦子さんがステアリングを握り、その後、イエローこと早川あゆ美さん、レッドこと星乃華さん、グリーンこと高村みどりさん、トリは坂田監督の順でドライブすることになりました。
予選など無いぶっつけ本番一発勝負のレース
このレース、ただ単に速さを競えばいいというものではありません。むしろ、一周2分30秒を切ると失格になります。
一方レース結果には燃費のウェイトが重く反映されます。速すぎてもダメ、燃費を気にしなくてはなりません。しかしながら、その環境の下で、アップダウンの厳しい富士スピードウェイを競うこの競技、しっかりと規定周回数(今回は35周)も設けられており、これを満たさないと減点、あるいは失格になります。レース中5回のピットストップもルールで定められています。燃費を競う以上、エアコンは使うわけにもいきません。
テストラン、予選などない中でのぶっつけ本番一発勝負のレース。全員が初めての富士スピードウェイのドライブ、という条件の下でのレースになりました。
6人それぞれに、そのような条件ではあるものの、なかなかの走りを見せました。ただしさすがに経験がものをいう世界。5人が走り終えたところで周回数をクリアできるかが危うくなります。6人目の坂田代表がリーダーとしての責任感を見せつけ、最後は、サーキットではないものの自動車競技の経験者ブルーに再びステアリングを託されました。
そこでかなりタイム的には追い上げますが結果は規定周回数に10秒足りずという結果に。
そんな「CAC withオートックワン」チームには表彰式で「がんばりま賞」が与えられることに。
初参戦にして全員無事にけがもトラブルもなく走りきれたことは何より。でもチームメンバーの表情にはすがすがしい悔しさのようなものを見て取ることができました。口々に「また来年も参加したい。その際は、もっと練習して、作戦も練って、まずはしっかり規定周回数もクリアしたうえで上位に入れるような走りをしたい」と語るチームのメンバー。
次回以降の結果が今から楽しみですが、同時に、興味があれば気軽に始められるモータースポーツであるこのグリーンカップ、そしてこの86/BRZのマシンとしての懐の深さのようなものを見せつけられたレースでした。
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